福岡市中央卸売市場

福岡市中央卸売市場について

福岡市中央卸売市場（ふくおかしちゅうおうおろしうりしじょう）は、福岡県福岡市が設立・運営する卸売市場であり、青果、鮮魚、食肉の取引を行っています。2016年には、青果市場が移転し、「ベジフルスタジアム」という愛称で知られる新青果市場が開設され、現在は鮮魚市場と食肉市場を含む3つの施設で営業しています。

市場の沿革

福岡市中央卸売市場は、1938年に初めての市営青果市場として業務を開始しました。第二次世界大戦中には戦時体制により統制経済が導入され、市営青果市場は解散。在戦後の1950年、福岡市は中央卸売市場の設置を目指す大都市計画を策定し、1953年には委員会が設置されました。1954年には長浜三丁目に中央卸売市場の起工が行われ、1955年6月には正式に開場しました。

市場の組織拡大は続き、1960年代には青果部が複数の分場で営業を開始。1968年には新たに青果市場が博多区那珂に移転しました。1970年代以降、福岡市は市場の再整備を進め、1990年代には鮮魚市場の再整備推進が計画されました。

1996年には第6次中央卸売市場整備計画に基づき、食肉市場の移転・新設が決定し、2000年に新食肉市場が開場。2007年には鮮魚市場の再整備が完了し、食肉市場も名称を臨海市場に変更しました。2016年には、青果市場、西部市場、東部市場が統合され、新青果市場が開場しました。

市場の機能

福岡市中央卸売市場は、地元生産者から消費者への新鮮な食材の供給を担っています。特に「ベジフルスタジアム」は、地元の農産物を中心に新鮮な青果が揃い、多くのバイヤーにとって重要な取引先となっています。鮮魚市場は、新鮮な魚介類や水産物の取引が行われており、地元の食文化を支える重要な拠点です。また、食肉市場も地元産の肉類を提供し、質の高い食材を消費者に届けています。

旧市場の跡地活用

新青果市場への移転により、旧青果市場や東部・西部市場の跡地が活用されることになりました。福岡市はこれらの土地を売却し、新たな市場用地確保を目指しています。特に旧青果市場跡地は、8ヘクタール超の広大な面積を持ち、交通の便が良いことから地域活力を引き出す用途が期待されています。地域の意見を集約するための「青果市場跡地まちづくり協議会」も設立され、地域住民や専門家の意見を基に活用策が検討されています。

三井不動産が提案した「出会いの広場」としての計画では、職業体験施設や農業体験、フードマーケットなどの整備が計画されています。

結論

福岡市中央卸売市場は、地域経済を支える重要な機関として、多様な食材の流通を促進しています。過去の歴史を踏まえつつ、現在の役割や今後の跡地利用に注目することが、地方活性化のヒントとなるでしょう。地元の生産者が新鮮な食材を提供することは、消費者にとっても重要であり、この市場が持つ価値はますます高まっています。

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