福岡市立高取中学校

福岡市立高取中学校は、福岡県福岡市早良区原三丁目に所在する公立の中学校です。地域では「高取中」または「高中」という通称で親しまれています。

本校の歩みは、1955年に福岡市立百道中学校の室見分校として始まったことに遡ります。設立当初は17学級を有していました。翌年の1956年には、福岡市立高取中学校として正式に独立します。そして1960年、当時の校地を福岡市立室見小学校と交換する形で現在地に移転しました。この校地交換の背景には、当時両校の敷地間を走っていた筑肥線の線路を、特に幼い室見小学校の児童が横断して通学する際の危険を回避するという安全上の配慮があったとされています。2010年には、環境への取り組みとして太陽光ソーラーパネルが設置されています。

本校が掲げる教育の柱である校訓は、「豊かさ」「温かさ」「逞しさ」の三つです。これらの校訓に基づき、生徒一人ひとりの人間的な成長と、豊かな心を育む教育を目指しています。

学校の象徴である校歌は、岩根一恵氏が作詞、都築賴助氏が監修、安永武一郎氏が作曲を手がけました。2008年度からは、これまでの斉唱形式に加え、合唱形式での歌唱も取り入れられています。また、2016年度には学校の応援歌が新たに作成され、発表されました。この応援歌は、松本弘紀氏が作詞を、横山知加子氏が作曲を担当しました。

学校の規模は、2024年7月現在、1年生と2年生が各9クラス、3年生が8クラス、そして特別支援学級が1クラスで構成されており、全校で合計27クラスとなっています。

本校の通学区は、福岡市早良区内の特定の地域を包含しています。具体的には、藤崎一丁目・二丁目の全域、弥生一丁目・二丁目の全域、室見二丁目・三丁目・四丁目・五丁目、高取一丁目・二丁目の全域、西新五丁目、祖原、昭代一丁目・二丁目・三丁目の全域、および曙二丁目の一部が含まれます。地理的な範囲としては、早良区北部において、明治通り、早良街道、旧筑肥線跡、室見川に囲まれた一帯にあたり、これは福岡市立高取小学校および福岡市立室見小学校の通学区域と概ね重なります。通学区の北端部は、明治通り沿いの早良区の中心的な市街地である西新・藤崎地区に面しており、その他の大部分は閑静な住宅地が広がっています。学校施設自体は、通学区の南西端から約300メートル離れた場所に位置しており、厳密には福岡市立原中央中学校の通学区内にあります。隣接する福岡市立大原小学校も本校の通学区には含まれません。

部活動は非常に盛んに行われており、特に運動部が目覚ましい活躍を見せています。ソフトボール部は、2023年7月に開催された福岡市中学校ソフトボール大会で、二度目の優勝を飾る快挙を達成しました。陸上長距離部は、2022年10月29日の福岡市駅伝競走大会で3位入賞を果たし、続く県大会でも4位と健闘しました。軟式野球部も、2023年3月のホークスカップでベスト8に進出しています。中でも特筆されるのは水泳部で、2023年には区大会、市大会、県大会、九州大会の女子総合において全て優勝し、「四冠」を達成するなど、全国に繋がる高いレベルでの実績を残しています。これらの例からも分かるように、多くの部活動で生徒たちが目標に向かって熱心に活動しています。

本校からは、プロ野球選手として活躍する田中和基氏など、多方面で活躍する著名な卒業生を輩出しています。

周辺で本校と校区が隣接する中学校としては、福岡市立百道中学校、福岡市立城南中学校、福岡市立原中央中学校、福岡市立原北中学校、福岡市立内浜中学校、福岡市立姪浜中学校などが挙げられます。

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