福岡市赤煉瓦文化館

福岡市赤煉瓦文化館の魅力と歴史

福岡市赤煉瓦文化館は福岡県福岡市中央区に位置する歴史的な建築物で、1909年に日本生命保険株式会社九州支店として完成しました。この建物は、東京駅舎などを手がけた辰野片岡建築事務所による設計で、明治末期の本格的な煉瓦造建築として高い評価を受けています。1974年には国の重要文化財に指定され、現在もその姿を残しています。

立地と歴史的背景

この文化館は、旧唐津街道沿い、西中島橋のたもとに立地し、福岡城の枡形門が築かれていた場所としても知られています。商人の町である博多と城下町の福岡地区との境界に位置し、歴史的な賑わいを持つエリアです。1877年には第十七国立銀行の本店もこの地に設置されていましたが、1904年の火災により焼失。その後、この文化館が建設されました。

建築概要

この建物の設計を手がけた辰野片岡建築事務所は、当時日本で最も権威のある建築事務所の一つであり、本館は煉瓦造の地上2階、地下1階の小規模ながらも特徴的なデザインを誇ります。中央にはドームを持つ八角形の塔屋があり、屋根材はオリジナルの天然スレート葺きから銅板葺に変更されました。内装や外装にはアールヌーボー様式の影響が見られるものの、生命保険会社の社屋であったため華美さは控えられています。

改修と文化館としての利用

昭和26年頃には、内部の改造が行われ、会議室の仕切りが撤去されるなどの変更が施されました。その後、1941年には会社名が変更され、昭和41年まで日本生命の支社として機能していました。1969年には重要文化財に指定され、福岡市が買収。その後、1972年には歴史資料館として改修が行われるとともに、重要な文化遺産として市民に公開されるようになりました。

外観と内装の特徴

外観は赤レンガに加え、白い花崗岩の帯が張り巡らされ、19世紀末の英国に影響を受けたクイーンアン様式が表れています。内部には照明器具や階段の装飾にアールヌーボーの影響が見えつつも、ビジネスビルであったため、かえって控えめで落ち着いたデザインが施されています。このような建築様式の融合は、文化館自身が持つ独自の魅力となっています。

最新の取り組み

近年では、2019年に「エンジニアフレンドリーシティ福岡」の取り組みの一環として、「エンジニアカフェ」も設置され、交流の場としても機能しています。また、福岡市文学館が開設された1階部分もあり、文学に関する豊富な情報を提供しています。

特に交通アクセスが便利で、地下鉄空港線天神駅から徒歩6分、西鉄天神大牟田線西鉄福岡駅からは徒歩10分とは、訪れるには非常に好立地です。

こうした文化財としての役割だけでなく、文化的交流の場として進化し続ける福岡市赤煉瓦文化館は、訪れる人々にとって新たな発見や感動を提供しているのです。

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