福島大順

福島大順（ふくしま だいじゅん）は、天保4年（1833年）に安芸国沼田郡中調子村（現在の広島市安佐南区川内）で生まれました。浄土真宗本願寺派明円寺の住職である父、福島大乗の長男として誕生。

16歳で旧豊田郡川尻町（現呉市）の光明寺に入り、2年7ヶ月にわたり仏学の基礎を学びました。その後、本願寺学林（現在の龍谷大学）でさらに仏教の研鑽を積み、明円寺の住職を継ぎました。

学林では、得業、助教、輔教と段階的に学階を進め、没後には司教を追贈されています。学林からの帰山後は、本願寺や地方庁からの依頼を受け、芸備地域で仏教講演を行うなど、その教えを広めることに尽力しました。

教育者としても卓越した手腕を発揮し、広島仏学場（現在の崇徳高等学校）や進徳教校（現同校）の創立に霊山諦念、観山綜貫らと共に尽力しました。特に、進徳教校では第2代総監として8年間奉職し、教育の発展に大きく貢献しました。

明治20年（1887年）には崇徳教社幹事、本山から広島県副総組長に任命され、事実上、県内真宗寺院僧侶の頂点に立ちました。これは、彼の仏教界における影響力の大きさを物語っています。

大正3年（1914年）2月22日、81歳で往生を遂げましたが、彼の遺志は孫である福島利美（明円寺第13世住職）に引き継がれ、福島利美は後に崇徳高等学校の第3代校長に就任し、その教育理念は現代にも息づいています。

福島氏の祖は、毛利氏の家臣である福島大和守道真であるとされています。また、広島城普請奉行の福島元長（大和守）との関係も示唆されており、その家系の歴史は広島の歴史とも深く結びついています。

福島大順は、仏教の普及と教育に生涯を捧げ、広島の仏教界、教育界に多大な貢献をした人物として、今もなお敬愛されています。

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