福島小蕾

福島小蕾（ふくしま しょうらい）は、明治24年（1891年）7月15日に島根県安来市今津で生まれた俳人です。昭和44年（1969年）2月1日に生涯を閉じました。本名は亮（りょう）といい、梨東（りとう）または梨東書屋主人という別号も用いました。

学歴としては、広島高等師範学校文科を中退しています。中学校長を務めた後、大正5年（1916年）からは神職に転じました。

俳句の世界へは、1906年（明治39年）に広江八重桜（ひろえ やえざくら）に入門したのが始まりです。その後、奈倉梧月（なぐら ごげつ）に師事しました。俳句結社としては、「ホトトギス」や「懸葵（かけあおい）」を経て、「石楠（しゃくなげ）」の同人となりました。また、自ら「礼讃（らいさん）」という俳句雑誌を主宰しました。この雑誌は後に「白日（はくじつ）」、「契（ちぎり）」、「瓶麓（びろく）」、「俳句地帯」、「地帯」と改題を重ねています。

著書としては、句集『狭田長田（さだおさだ）』(昭和17年)があり、代表句として「狭田長田」「日々」「静日」「雫」などが知られています。その他、句集『土をしたふ』(昭和28)や、啓蒙書として『俳句の第一門』などを著しています。

福島小蕾は、地方に根ざした俳人として、独自の俳句世界を追求し、多くの作品を残しました。彼の作品は、自然や日常生活に対する深い洞察と、繊細な表現が特徴です。また、後進の育成にも力を注ぎ、地域俳句の発展に大きく貢献しました。

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