福島智

福島智

福島智（ふくしま さとし）氏は、1962年生まれの日本のバリアフリー研究者であり、東京大学教授です。障害学、バリアフリー教育、アクセシビリティ、障害者福祉を専門としています。

社会福祉法人全国盲ろう者協会の理事や世界盲ろう者連盟アジア地域代表も務めています。世界で初めて常勤の大学教員となった盲ろう者としても知られています。

生い立ちと教育

福島氏は兵庫県神戸市出身です。生後5ヶ月で眼病を患い、3歳で右目、9歳で左目を失明。18歳の時に特発性難聴で聴覚も失い、全盲ろう者となりました。18歳までの音の記憶があり、発声によるコミュニケーションが可能です。日常会話では関西弁を話します。また、ピアノ演奏も得意としています。

母親である令子氏が考案した指点字を使い、周囲とのコミュニケーションを図ってきました。この指点字は全国の盲ろう者に広まり、新たなコミュニケーション手段として活用されています。

1983年、盲ろう者として日本で初めて大学へ入学（東京都立大学人文学部）。金沢大学教育学部助[[教授]]、東京大学先端科学技術研究センター准教授を経て、現職に至ります。

キャリアと業績

福島氏は、バリアフリーに関する研究と教育に尽力する傍ら、盲ろう者を含む障害者の福祉増進を目指した社会活動に積極的に取り組んでいます。

1996年には、母親の令子氏と共に吉川英治文化賞を受賞。2003年には、米国の週刊誌TIME誌で「アジアの英雄」に選ばれました。2008年には、盲ろう者として世界で初めて大学の常勤教員となり、NHK「課外授業 ようこそ先輩」に出演し、日本賞グランプリを受賞。

2015年には本間一夫文化賞を受賞しています。

主な著作

渡辺荘の宇宙人-指点字で交信する日々
盲ろう者とノーマライゼーション-癒しと共生の社会をもとめて
生きるって人とつながることだ！
盲ろう者として生きて-指点字によるコミュニケーションの復活と再生
ぼくの命は言葉とともにある

関連書籍

ゆびで聴く-盲ろう青年福島智君の記録
指先で紡ぐ愛-グチもケンカもトキメキも
指先で紡ぐ愛（コミック版）
ゆびさきの宇宙-福島智・盲ろうを生きて
さとし わかるか

映画

2022年には、福島氏の生い立ちを描いた映画『桜色の風が咲く』が公開されました。

現在の活動

東京大学でバリアフリー論、障害学の研究と教育に従事する傍ら、盲ろう者を含めた障害者の福祉増進を目指す社会的活動に積極的に取り組んでいます。

外部リンク

福島研究室 バリアフリープロジェクト
社会福祉法人全国盲ろう者協会

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