福建台湾省

福建台湾省：清朝末期の台湾における行政区画

福建台湾省（ふっけんたいわんしょう）は、清朝末期に現在の台湾に存在した省です。1885年に福建省から分割されて設置され、1895年の下関条約によって日本に割譲されるまで存在しました。

福建台湾省の成立

清朝は、1885年（光緒11年）に福建省を分割して福建台湾省を設置することを決定しました。しかし、初代福建台湾巡撫に任命された劉銘伝は、省の設置には時期尚早と考え、実際に省が設置されたのは1887年（光緒13年）のことでした。福建台湾省の成立時期については、資料によって記述が異なっています。『清史稿』の『地理志』では1887年、『徳宗本紀』では1885年10月12日とされています。

省設置に至るまでの経緯

台湾に省を設置するという考えは、1737年（乾隆2年）に内閣の学者であった呉金が最初に提案しました。しかし、当時は台湾の行政区画が小規模であったため、この提案は採用されませんでした。

1874年（同治13年）の日本による台湾出兵を契機に、清朝は台湾の重要性を認識し、省の設置を検討し始めました。当初は、省を設置することに反対する意見もありましたが、1884年の清仏戦争でフランス軍が台湾を攻撃したことを受け、省の設置を求める声が強まりました。最終的に1885年、清朝は福建省を分割して福建台湾省を設置することを決定しました。

行政区画

福建台湾省は、以下の4つの行政区画から構成されていました。

台湾府：1684年に設置。当初は台湾県、鳳山県、諸羅県のみを管轄していましたが、後に彰化県、埔里社庁、台湾県、雲林県、苗栗県が設置されました。
台北府：1875年に台湾府から分割して設置。新竹県、宜蘭県、淡水県、基隆庁、南雅庁が管轄下にありました。
台南府：1887年に台湾府から分割して設置。嘉義県、安平県、鳳山県、澎湖庁、恒春県が管轄下にありました。
台東直隷州：1888年に設置。南郷、広郷、新郷、奉郷、蓮郷が管轄下にありました。

官制

福建台湾省には、巡撫1人（正二品）が置かれ、その下に布政使（従二品）、台湾道（加按察使銜、正三品）が設置されました。

福建台湾省の終焉

1895年（光緒21年）4月17日、清朝は日本との間に下関条約を締結しました。この条約により、台湾は日本に割譲されることになり、福建台湾省は廃止されました。

まとめ

福建台湾省は、清朝末期の台湾において重要な役割を果たした行政区画でした。省の設置は、台湾の防衛と発展を目的としたものでしたが、清朝の衰退と日本による台湾割譲により、その歴史は短く幕を閉じました。しかし、その歴史は、今日の台湾の形成に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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