福永尊介

福永尊介は、1885年（明治18年）1月2日に北海道厚岸郡太田村で、福永磨理輔の長男として生を受けました。彼は、日本の内務官僚として、また県知事として、その生涯を公務に捧げました。

福永は、山口高等学校を経て、1908年に東京帝国大学法科大学法律学科（英法）を卒業しました。翌1909年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省。そのキャリアは、樺太庁属として始まりました。

その後、福永は樺太庁事務官、同理事官兼専売局副参事（函館専売支局樺太出張所長）など、重要な役職を歴任。その後、青森県理事官、和歌山県警察部長、警視庁衛生部長、東京府内務部長と、その活躍の場を広げました。

1924年6月には、清浦内閣によって福井県知事に任命されましたが、翌月、加藤高明内閣の発足に伴い、その職を更迭されました。しかし、1927年5月には千葉県知事に就任し、再び公務の最前線に立つことになります。

千葉県知事としての福永は、当時深刻な問題であった蚕糸の大暴落への対策に尽力しました。この危機的な状況に対し、彼はその手腕を発揮し、問題解決に尽力しました。しかし、その職務に献身する最中の1929年1月、現職のままこの世を去りました。

福永尊介は、激動の時代において、内務官僚として、また県知事として、その職務を全うしました。彼の生涯は、日本の近代史における地方行政の変遷を語る上で、重要な一例と言えるでしょう。

参考文献

上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
* 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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