福澤全集

福澤全集について

『福澤全集』は、著名な思想家である福澤諭吉の著作を編纂した全集です。彼の思想や理念を知る上で欠かせない資料であり、現行版としても非常に多くの人々に親しまれています。本書は、4つの主な版から構成されており、それぞれの版が異なる時代背景や編集方針に基づいて発行されています。

発行された版の一覧

1. 明治版『福澤全集』
2. 大正版『福澤全集』
3. 昭和版『続福澤全集』
4. 現行版『福澤諭吉全集』

明治版『福澤全集』

1898年に発行されたこの版は、福澤諭吉自身が手がけたもので、全5巻から成ります。主に時事新報社から刊行され、著作は年代順に配置されています。第一巻には『福澤全集緒言』が収められ、福澤の主要な作品についての解説が含まれています。興味深いことに、彼の作品の中でも『日本婦人論』が単行本化されずにこの全集に収められたのは、この版ならではの特長です。全巻は国立国会図書館のデジタルコレクションでも閲覧可能です。

大正版『福澤全集』

1925年から1926年に発行され、全10巻で構成されているこの版は、石河幹明によって編纂されました。内容は前版と似ていますが、明治版には収録されていなかった新しい作品も追加され、社説や漫言も含まれています。このように、福澤の思想の発展をより広く知ることができる内容となっています。

昭和版『続福澤全集』

1933年から1934年に発行され、全7巻から成るこの版は、主に大正版に漏れていた作品や書翰集から構成されており、大正版と重複する作品は収められていません。これにより、新たに多くの貴重な資料が集められ、福澤の全貌がより豊かに浮かび上がります。

現行版『福澤諭吉全集』

1958年から1964年にかけて発行されたこの版は、全21巻から構成され、再版では全22巻となっています。福澤の著作の中でも特に重要な作品が集められ、他の版からも独自の文献が追加されているため、研究や学習に非常に価値のある資料となっています。また、再版では新たに発見された作品や改訂された内容も収められています。

選集について

福澤諭吉の作品には、いくつかの選集も存在します。特に旧版と新版の『福澤諭吉選集』は、彼の思想や活動を広く理解する上で役立つ資料です。これらの選集でも、多様なテーマが取り上げられており、福沢の思想の核心に触れることができる機会を提供します。

まとめ

『福澤全集』は、福澤諭吉の思想を深く理解するための非常に重要な資料であり、4つの版によって彼の作品が広く伝えられています。各版の特性を理解することで、より深く福澤の思想を味わうことができるでしょう。

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