福田敏南

福田敏南について

福田敏南（ふくだ としなみ、1920年 - 没年不詳）は、日本の教育界で大きな影響を与えた学校経営者であり、学校法人福田学園（現在の学校法人純真学園）の理事長を長期間務めました。また東和大学学長や純真女子短期大学学長も歴任し、教育に対する情熱をもって多方面で活躍しました。なお、彼は政治家福田昌子の弟でもあります。

経歴と背景

福田敏南は、父親が裁判官であった家庭に生まれ、兄や姉も衆議院議員として活動していました。学問に励んだ彼は、1938年に福岡県立中学修猷館を卒業後、1942年に第一高等学校文科丙類を経て、東京帝国大学法学部に入学しました。しかし、日本の歴史の中で特異な位置付けにある満州への出征が彼の人生に大きな影響を与えます。大学在学中に徴兵され、シベリアでの抑留を3年経験し、戦後は官僚として商工省（現・通商産業省）に入省しました。

1972年から1974年まで福岡通産局長を務めた後、彼は1976年に福田学園の理事長に就任し、純真女子短期大学の第2代学長に選ばれました。しかし、同年の衆議院議員選挙には出馬しましたが失敗に終わります。

理事長としての葛藤

福田敏南が理事長に就任した際、教育現場をめぐるさまざまな問題に直面しました。1983年、姉の福田純子との間で埼玉純真女子短期大学の開学に関して意見が対立し、これが発端となり理事職の確認を求める訴訟を起こします。最終的に1990年、福岡地方裁判所が彼の理事長職を確認し、これ以降1997年まで彼は理事会を開催せずに学園を運営しました。

この期間中、福田敏南は特に強い指導力を発揮しました。1987年には、傘下にあった私立東和大付属昌平高校で校長を交代させ、教員5人を懲戒解雇するなど、時に教職員や保護者から激しい反発を受けつつも、教育改革を試みました。そして同年、学生寮「濤音寮」を大分県国見町の造り酒屋「さんがいや」を買い取って設置しましたが、実際にはほとんど利用されることはありませんでした。

さらに1995年には、野外研修施設を建設するために岡山県倉敷市の上水島を資金4億5千万円で購入しましたが、この資金の使途に関して背任容疑で告発され、2000年には逮捕される事態を招きました。この逮捕により、彼が指揮していた豊前市の小学校跡地を利用した「東洋学研究所」設立計画も頓挫しました。

2000年に理事長職を退任した後、彼の長男が新たな理事長に就任しました。福田敏南の生涯は、教育に対する情熱と、同時に数々の困難な選択肢に向き合った彼の姿勢が浮かび上がります。

主な著書

彼の教育思想は、著書『新しい日本への道標：私はこう考える これからの経済、教育、福祉をどうするか』（日新報道、1975年）にも表れています。この本では、日本の未来に向けたビジョンや、教育の重要性についての考えが述べられています。福田敏南の人生と業績は、教育界のみならず社会においても重要な影響を与え続けています。

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