福祉特別乗車券 (名古屋市)

福祉特別乗車券について

福祉特別乗車券（ふくしとくべつじょうしゃけん）は、名古屋市に居住する特定の障害者や児童養護施設の入所者に交付される特別な乗車証です。この乗車券は、通称福祉パスや福祉乗車券とも呼ばれています。2016年11月1日から、従来の磁気券からICカードであるmanacaに移行し、利便性が向上しました。

特徴と利用方法

この乗車券は、一定の障害を有する方々に無償で支給されます。障害の程度に応じて、介護者用の乗車券も交付され、これは障害者本人に同行する場合に限り利用可能です。なお、福祉特別乗車券を利用する場合、名古屋市で提供される敬老パスとは併用できず、どちらかを選択する必要がありますが、福祉特別乗車券を選んだ場合、敬老パスの還付を受けることができます。

ICカードに移行したことで、名古屋市内の市営地下鉄や市営バスに加え、名鉄、JR、近鉄、名古屋鉄道などの広範囲な公共交通機関も利用可能となり、利便性が大幅に向上しました。特に、2022年2月からは新たに交通機関の利用対象が広がり、名古屋市内の一部の私鉄やバスも無償で利用できるようになりました。これにより、利用者の移動範囲がより広がり、生活の質の向上に貢献しています。

利用する場合、追加区間についてはチャージ残高から運賃が引かれ、翌々月には銀行口座へ返金がされる仕組みです。

交付要件

福祉特別乗車券の交付を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。まず、身体障害者手帳の1級から4級の交付を受け、重度障害者タクシー利用券を持っていないこと、または愛護手帳や精神障害者手帳の交付を受けていることが必要です。また、児童養護施設に入所している者については、施設が一括して乗車券を取得できます。

介護者用の乗車券を受けるためには、障害者手帳の1級または2級、あるいは愛護手帳の1度から3度を取得していることが求められます。精神障害者福祉手帳の1級または2級の交付を受けている場合も適用されます。

有効期間

この乗車券の有効期間は、ICカード方式に移行した2016年以降は、交付日から5年後の10月31日までとなっています。以前は精神障害者手帳に基づいた年間更新が行われていましたが、ICカード移行でスムーズな利用が実現されています。最初に交付を受ける際、最初の有効期限は交付日から最初の期間の最終日までとなります。また、交付された手帳の有効期間に応じて、期限が切れることがあり、更新手続きが必要です。

利用可能区間

2022年2月時点で、名古屋市営バスや地下鉄を含む広範な路線が無料で利用できるようになりました。追加された交通機関の利用については、名古屋市内でのみ無償で乗車でき、他の地域で乗降する場合は乗車券が必要です。異なる交通機関との接続も考慮されており、利用者にとって非常に便利な設計となっています。

ICカードへの移行

2016年9月から福祉特別乗車券はmanacaカードへの移行を開始しました。この新しい仕組みにより、従来の乗車券に比べ、利用者に対する利便性やサービスの向上が期待されています。これにより、より多くの障害者や児童養護施設の入所者が快適な移動ができる環境が整備されています。

福祉特別乗車券は、全ての市民に対する包括的なサポートとして機能し、公共交通機関の利用を通じて、より充実した生活が送れることを目指しています。

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