福良徹

福良 徹

略歴

1978年10月17日、徳島県阿南市に生まれた福良 徹（ふくら とおる）氏は、元プロ野球選手として知られています。主に外野手としてプレーしました。

高校時代の活躍

徳島県立新野高校に進学した福良氏は、野球部でその才能を開花させました。高校1年秋には投手を兼任し、チームの県大会ベスト4進出に貢献するなど、早くから頭角を現します。

特に注目を集めたのは、3年夏の第78回全国高等学校高等学校野球選手権大会でした。新野高校はこの大会に初出場を果たし、快進撃を見せてベスト16まで勝ち進みました。福良氏は主にセンターとして出場し、その俊足と強肩を遺憾なく発揮します。

1回戦の日大山形高校戦では、センターの守備位置から本塁へダイレクトの正確な送球で走者を刺し（補殺）、チームの勝利に貢献。このプレーは、その高い守備能力と判断力を示すものでした。2回戦では同じ四国の強豪、明徳義塾高校を破る金星を挙げますが、3回戦でこの大会の優勝校となる松山商業高校に敗れ、初の甲子園はベスト16で幕を閉じました。初出場校ながら全国の舞台で高い評価を得たチームの中で、福良氏の存在は大きな注目を集めることとなりました。

プロ入りと期待

高校での活躍、特に甲子園でのプレーがスカウトの目にとまり、福良氏は1996年のNPBドラフト会議にて、広島東洋カープから4位指名を受け、入団します。背番号は「55」を与えられました。

福良氏の最大の武器は、その卓越した俊足でした。50メートル走を5秒8という驚異的なタイムで駆け抜けるスピードは、プロの世界でも十分通用すると期待されました。プロの舞台でこの俊足を生かし、広大な守備範囲を持つ外野手として、あるいは代走としてチームに貢献する可能性を秘めていました。

プロでのキャリア

プロ野球選手として広島東洋カープに入団した福良氏でしたが、一軍の分厚い壁に阻まれることとなります。俊足好守を武器にレギュラー争いに挑みましたが、レベルの高いプロの世界で常に一軍に定着することは容易ではありませんでした。

プロ入り後、2000年春にはチームの主力外野手である緒方孝市選手の故障を受けて一時的に一軍登録されました。しかし、残念ながら公式戦での出場機会は得られませんでした。これが唯一の一軍登録期間となり、結局、プロでの5年間で一軍公式戦に出場することはありませんでした。

また、選手生命にとって大きな障害となったのが度重なる故障でした。詳細は定かではありませんが、故障に悩まされたことにより、自身の持ち味である俊足を十分に生かせない時期があったことが、一軍定着をさらに難しくした要因の一つと考えられます。プロの世界では常に万全なコンディションを維持することが求められますが、福良氏にとってはそれが困難な状況でした。

厳しいプロの世界での競争と故障の影響もあり、福良氏は2001年シーズン限りで現役を引退することを決断しました。プロ野球選手としてのキャリアはわずか5年間という短いものでしたが、高校時代の輝きは多くのファンの記憶に残るものでした。

引退後の歩み

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、福良氏は新たな人生の道を歩み始めました。第二の人生の舞台として選んだのは、広島市内にある不動産会社でした。

プロ野球選手として培った経験や、目標に向かって努力する姿勢は、ビジネスの世界でも必ずや活かされていることでしょう。現在は、プロ野球界を離れ、地域社会に貢献する一員として活動しています。

福良徹氏は、高校時代に甲子園でその名を馳せ、プロの世界に飛び込んだものの、様々な困難を経て新たな道を選んだ一人のアスリートとして、そのキャリアを終えました。短いプロ生活ながらも、その俊足や高校時代の活躍は、野球ファンの記憶に刻まれています。

詳細情報

年度別打撃成績: 一軍公式戦出場なし
背番号: 55 (1997年 - 2001年)

関連項目

徳島県出身の人物一覧
広島東洋カープの選手一覧

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