私たちはどうかしている

『私たちはどうかしている』

『私たちはどうかしている』は、日本の漫画作家安藤なつみによって創作された作品で、2016年から2021年まで『BE・LOVE』（講談社）に連載されていました。この作品は、和菓子職人を中心に展開する複雑な人間関係と、愛や復讐をテーマにした感情深いストーリーです。略称は「わたどう」として親しまれています。

物語の舞台は金沢の和菓子店「光月庵」で、主人公の大倉百合子がそこで働くことから始まります。百合子の娘、花岡七桜は店の跡取り息子、高月椿と知り合い、二人は幼い頃からの友情を育んでいきます。しかし、幸せな日々が続く中、百合子が椿の父を殺害した濡れ衣を着せられて逮捕され、七桜は光月庵を追い出されてしまうという衝撃の展開が待ち受けています。

物語は15年後に舞台を移し、成長した七桜が百合子の無実を証明する手紙を受け取り、再び椿と出会うところから次の章が始まります。椿は当初七桜が幼なじみであることに気づかないまま、家族によって決められた結婚を破談にするために七桜にプロポーズします。この申し出に対して七桜は、母の無実を証明するために結婚を受け入れるのですが、そこには椿の母との対立や複雑な家族事情が影を落とします。

主な登場人物

花岡七桜（はなおか なお）

物語のヒロインであり、和菓子職人。母の無実を証明するために光月庵に再び訪れる。過去の事件から赤いものを見ると過呼吸になるというトラウマを抱えており、内面の葛藤を抱えながら成長する姿が描かれています。

高月椿（たかつき つばき）

七桜の初恋の相手で、光月庵の跡取り息子。七桜との再会を通じて、彼女の正体や過去に向き合うことになります。孤独感を抱えながらも彼なりの愛情を模索しています。

多喜川薫（たきがわ かおる）

七桜の知人であり、実は椿の異母兄。彼の登場により物語はさらに複雑化し、復讐が絡む人間関係が浮かび上がります。

高月今日子（たかつき きょうこ）

椿の母で、光月庵の女将。彼女の過去や性格が物語の中で鍵を握っており、七桜との対立が故事の深刻な影響を与えます。

書誌情報とメディア展開

この漫画は全19巻にわたり刊行され、2021年には500万部を超える発行部数を達成しました。さらに、新章『私たちはどうかしている 新婚編』が2022年から2023年にかけて連載され、2024年には続編となる『妻恋い』が始まる予定です。また、2020年にはテレビドラマ化もされ、多くのファンに親しまれています。

物語の核となるテーマは「愛」と「復讐」であり、登場人物たちの心の葛藤や成長が非常に深く描かれているのが特徴です。この作品を通じて、和菓子職人の苦悩と愛の成就、そして複雑な人間関係が織りなすドラマを楽しむことができるでしょう。

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