秋元恵美

秋元 恵美（あきもと えみ）

秋元 恵美は、1956年7月19日生まれの日本の元陸上競技選手です。主にハードル競走を専門とし、特に100メートルハードルにおいて、国内外で数々の輝かしい成績を収めました。

来歴とキャリア

競技生活の初期には短距離走の選手として活動しており、埼玉県立岩槻商業高等学校在学中の1975年には、国際室内陸上競技会の50メートル走で、オリンピックメダリストに次ぐ2位に入る健闘を見せています。

国士舘大学へ進学後、ハードル競走に本格的に取り組み始めました。1977年の第61回日本陸上競技選手権大会では、女子100メートルハードルで当時の電気計時による大会記録となる14秒09をマークし、初優勝を飾りました。同年には国際大会にも初出場し、太平洋沿岸五か国対抗陸上競技大会の100メートルハードルで3位となり、初めて国際的なメダルを獲得しています。また、この大会の400メートルリレーでは日本新記録樹立に貢献しました。これらの活躍により、埼玉県スポーツ協会から「野口記念体育賞」を受賞しました。

1979年、国士舘大学を卒業後、大学の研究助手として勤務しながら競技を続けました。同年に東京で開催されたアジア陸上競技選手権大会では、日本代表として女子100メートルハードルに出場し、大会新記録の14秒17で優勝し、自身初のアジアタイトルを獲得しました。同年にはモントリオールで開催されたIAAF陸上ワールドカップにアジア代表として出場し、世界の大舞台も経験しています。

日本陸上競技選手権大会では、1977年の初優勝以降も好成績を維持し、1979年、1980年、1981年と連覇を重ね、通算6度の優勝を記録しています。1981年には記録を13秒71まで短縮しました。また、この年に埼玉県立上尾沼南高等学校の教員となり、教育者としてのキャリアもスタートさせました。競技面では、1981年の太平洋沿岸五か国対抗陸上競技大会で女子個人種目唯一の金メダルを獲得。さらに、再び東京で開催された1981年アジア陸上競技選手権大会では、大会新記録の13秒78で100メートルハードルの2連覇を達成しました。

キャリアのピークは、1982年にインドのニューデリーで開催されたアジア競技大会でした。女子100メートルハードル決勝では、自己ベスト記録となる13秒63をマークし、見事に金メダルを獲得しました。さらに、短距離のトップ選手たちと共に組んだ400メートルリレーでは、45秒13のアジア新記録を樹立して二つ目の金メダルを手に入れ、大会2冠を達成しました。

アジア陸上競技選手権大会では、1983年大会でも優勝し、史上初の100メートルハードル3連覇を達成しました。この時の記録13秒63は、向かい風2.0メートルの条件下でのものであり、自身の自己ベスト記録に並ぶ素晴らしい記録でした。この年、フィンランドのヘルシンキで開催された第1回世界陸上競技選手権大会にも日本代表として出場しています。

現役時代の後半には、結婚により姓が佐々木に変わり、佐々木 恵美として競技会に出場しました。引退直前の1986年には、室内50メートルハードルで7秒19の日本新記録を樹立しました。この記録は、2022年6月時点でも破られていません。

引退後の活動

競技生活からの引退後、秋元恵美は教育の道に進みました。埼玉県立上尾高等学校や母校である埼玉県立岩槻商業高等学校で教員を務め、長年にわたり後進の指導にあたりました。2017年3月に高校教員を退職後、同年4月からは母校の国士舘大学体育学部体育学科で准教授に就任し、現在も研究・教育活動を行っています。なお、教育研究活動においては、正字体の秋元惠美の表記も使用されています。

教育者としての活動に加え、陸上競技の普及・振興にも貢献しています。2015年には埼玉県陸上競技協会の理事に就任したほか、日本陸上競技連盟においては、青少年の陸上競技への関心を高めるための活動にも積極的に取り組んでいます。

秋元恵美は、現役時代の輝かしい実績に加え、引退後も教育者・指導者として陸上界に貢献し続けている人物です。

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