秋川 (東京都)

秋川（あきがわ）

秋川は、東京都の多摩地域西部を流れる、多摩川水系の主要な支流の一つです。その幹線流路は37.6kmに及び、流域面積は169.6km²と、多摩川の支流の中で最も広い面積を誇ります。そのため、多摩川最大の支流とも言われています。

地理

秋川の源流は、東京都西多摩郡檜原村の西端、山梨県との県境に位置する三頭山の山腹にあります。都民の森のブナの路沿いを流れる三頭沢がその始まりです。源流から少し下った場所には、三頭大滝があり、周辺は整備されています。

川は檜原街道に沿って蛇行しながら東へ流れ、「数馬」集落を通過し、「笹平」地区で北へ流れを変えます。その後、檜原村本宿で北秋川と合流し、あきる野市を東へと流れていきます。最終的に、あきる野市、八王子市、福生市、昭島市の4市の境界付近で多摩川に合流します。

上流部、特にあきる野市の山田大橋までは、渓谷が深く刻まれており、キャンプ場などの施設が多く見られます。一方、下流の五日市周辺には比較的広い河原があり、田園風景が広がっている場所もあります。山田大橋より下流では、川沿いに道路が整備されており、散策やサイクリングが楽しめます。

2019年の台風19号では、あきる野市山田付近の堤防が決壊し、浸水被害が発生しました。また、川沿いの家屋の傾きや遊歩道の流出など、甚大な被害を受けました。

流域の自治体

秋川の流域には、以下の自治体が含まれます。

東京都
西多摩郡檜原村
あきる野市
八王子市

支流

秋川には、以下の支流があります。

三頭沢
森沢
丹田沢
出野沢
矢沢
小坂志川
北秋川

橋梁

秋川には、以下の主要な橋が架かっています。

橘橋（南秋川、山梨県道・東京都道33号上野原あきる野線）
西秋川大橋（秋川、同上）
新秋川橋（東京都道7号杉並あきる野線、五日市街道）
山田大橋（東京都道61号山田宮の前線）
秋留橋（国道411号）
東秋留橋（東京都道176号楢原あきる野線）
東秋川橋（東京都道166号瑞穂あきる野八王子線）

流域の観光地

秋川流域には、以下の観光地があります。

都民の森
秋川渓谷（紅葉の名所、厳密には南秋川の渓谷のみで、北秋川は北秋川渓谷と呼ばれる。）

生物

秋川には、スナヤツメ、ギバチ、アカザ、カジカ、ジュズカケハゼなど、貴重な魚類が生息しています。特に、アカザは西日本から移植されたもので、元々多摩川水系には分布していませんでした。

秋川は、豊かな自然環境と多様な生物が生息する貴重な河川です。上流から下流まで、変化に富んだ景観を楽しむことができます。

もう一度検索