秋田県立ゆり支援学校道川分教室

秋田県立ゆり支援学校道川分教室

秋田県立ゆり支援学校道川分教室（あきたけんりつ ゆりしえんがっこうみちかわぶんきょうしつ）は、秋田県由利本荘市岩城内道川に所在していた公立の特別支援学校の分教室です。この分教室は、国立病院機構あきた病院に併設されており、主に病院に入院している児童生徒を対象とした教育を行っていました。その教育対象は、病弱や重症心身障害を持つ子供たちでした。児童生徒数の減少に伴い、2022年度（令和4年度）をもって閉室することが決定し、2023年3月31日をもってその歴史に幕を下ろしました。閉室に先立ち、同年3月15日には閉室式が執り行われています。

設立の背景と沿革

道川分教室の設置は、2003年12月1日に遡ります。当時、秋田県内には複数の国立療養所やそれに併設する養護学校が存在していました。同年に本荘市にあった国立療養所秋田病院が廃止されることとなり、それに伴い併設されていた秋田県立本荘養護学校も同年度末での閉校が決まっていました。一方、同じ由利郡岩城町（当時）にあった国立療養所道川病院（現在の独立行政法人国立病院機構あきた病院）は存続が決定していました。本荘養護学校が担っていた教育機能を引き継ぎ、入院している病弱な児童生徒への教育を継続するため、存続が決定していた道川病院内に、秋田県立本荘養護学校の分教室として開室されたのが始まりです。

翌2004年3月に本荘養護学校本校が閉校となったため、同年4月1日からは、教育対象が肢体不自由である秋田県立秋田養護学校の分教室として位置づけられることになりました。しかし、秋田県の特別支援教育再編計画である「あきた総合支援エリア かがやきの丘」構想の推進により、秋田養護学校も2010年3月に閉校となりました。これにより、道川分教室は同年4月1日より、同じ由利本荘市に本校がある秋田県立ゆり養護学校の分教室となりました。ゆり養護学校は知的障害を主な教育対象としていましたが、道川分教室は引き続き病弱や重症心身障害を持つ児童生徒への教育を担いました。その後、2016年4月1日には、母体校であるゆり養護学校が秋田県立ゆり支援学校と校名を変更したことに伴い、分教室名も秋田県立ゆり支援学校道川分教室と改称されました。

教育内容と特色

道川分教室の教育形態は、通学によるものではありませんでした。主に併設されている国立病院機構あきた病院に入院している、重い障害と重複した障害を持つ重症心身障害児を中心に、病室などを活用した訪問教育を提供していました。病院での治療や生活と連携を取りながら、個々の児童生徒の状態に応じたきめ細やかな教育活動が展開されていました。分教室でありながらも、秋田県における重症心身障害教育の研究拠点校としての役割も担っており、県内の特別支援教育の質的向上にも寄与していました。教育課程としては、小学部、中学部、高等部が設置されており、それぞれの段階に応じた指導が行われていました。

閉室

近年の児童生徒数の減少は、道川分教室にとって大きな課題となりました。この状況を踏まえ、2022年度末での閉室が決定されました。2023年3月15日には、関係者が集まり、分教室の歴史を振り返る閉室式が執り行われました。そして、2023年3月31日をもって正式に廃室となりました。閉室時点に在籍していた児童生徒については、秋田県立秋田きらり支援学校へ転学し、同校による訪問教育の形で引き続き必要な教育が提供されることになりました。

道川分教室は、約20年間にわたり、病院に入院する病弱・重症心身障害児への教育という重要な役割を果たしてきました。母体校が複数回変更される中でも、その専門性と教育実践は受け継がれ、多くの子供たちの学びを支えてきました。閉室は寂しい出来事ではありますが、そこで培われた経験やノウハウは、今後の秋田県の特別支援教育に引き継がれていくことでしょう。

設置されていた学部

小学部
中学部
高等部

関連項目

秋田県特別支援学校一覧

外部リンク

* 秋田県立ゆり支援学校道川分教室 (閉室後のリンクのため、内容は当時のものとは異なる可能性があります)

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