秩父鉄道スム4000形貨車

秩父鉄道スム4000形貨車は、1963年に日本車輌製造で50両が製造された15t積みの二軸有蓋車です。従来の木製有蓋車と区別するため、車体側面が鉄製のものは鉄側有蓋車と呼ばれました。

特徴

車内には内張りがなく、袋詰めセメントや一般貨物など、水を嫌う貨物の輸送に適していました。
全車が国鉄連絡直通貨車に指定され、国鉄線内でも運用されました。車番の下にある二重線はこの指定を示すものです。

歴史

バラ積み輸送が主流になると、スム4000形は余剰となり、1979年には9両がワフ50形に改造されました。残りの車両も1984年10月31日付けで、スム4044・スム4047の2両を除いて廃車となりました。

現在、残存するスム4044・スム4047は救援車として、車体に白帯を入れ、救援機材を積み込み、広瀬川原駅（熊谷工場）で待機しています。以前は片方が秩父駅に留置されていました。

かつては、スム4023が三峰口駅構内にある秩父鉄道車両公園に保存されていましたが、現在は解体撤去されています。また、廃車後の車両の中には、秩父鉄道沿線で倉庫などとして利用されているものも見られます。

秩父鉄道における鉄側有蓋車の発展

秩父鉄道では、スム4000形を含め、鉄側有蓋車が4代に渡り改良発展してきました (スム1000形 → スム2000形 → スム3000形 → スム4000形)。スム3000形からは、走り装置が従来の一段リンク式から二段リンク式へ改良され、最高速度が65km/hから75km/hへと向上しています。

保存状況

* スム4023 - 埼玉県秩父市 秩父鉄道車両公園（解体撤去済）

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