稲上正

稲上 正の業績と生涯

稲上正（いながみ ただし）は、1931年5月20日に神戸市で生まれた、日本を代表する生化学者である。彼は、栄養生化学および分子細胞生理学を専門とし、特にたんぱく質分解酵素「レニン」の構造解明に貢献したことで知られている。この研究は、血圧の降圧剤の開発を進める上で非常に重要な成果となった。

学歴と職業経歴

稲上は1953年に京都大学農学部を卒業し、栄養化学の学士号を取得した。その後、1954年にはフルブライト奨学生としてアメリカに渡り、イェール大学に進学した。1958年にイェール大学から生物物理化学の博士号を取得し、さらに1963年には京都大学で栄養学の理学博士号を取得した。

1966年、彼はヴァンダービルト大学において生化学教室の助教授として教鞭を執ることになる。彼の研究は、医療分野において革命的な影響を与え、特に心血管疾患の予防においては大きな功績を残した。

受賞歴

彼の業績は多くの賞によって評価されており、米国心臓協会高血圧研究学会からCIBA賞を受賞したほか、2010年には日本学士院賞（村上和雄と共同）も受賞した。彼の科学的な貢献に対する認識は高まっており、2010年には日本学士院の会員にも選出された。

最後の日々

稲上は生涯を通じて、科学研究と教育に情熱を注いできた。それでも、一つの頂点を達成しても、常に新たな課題に挑み続ける姿勢を崩さなかった。彼の努力は、多くの後進の学者たちに受け継がれることだろう。

2023年3月13日、急性肺炎により、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグで91歳という生涯を閉じた。稲上正の功績は偉大であり、彼の影響力は今もなお多くの人々に続いている。これまでの業績は、彼の名を不朽のものとするであろう。彼の研究と情熱は、今後の生化学の発展に寄与し続けることが期待される。

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