稲垣正浩

稲垣正浩のプロフィール

稲垣正浩（いながきまさひろ、1938年3月26日 - 2016年2月6日）は、日本を代表するスポーツ史学者です。大阪府富田林市に生まれ、愛知県豊橋市で育ちました。彼は愛知県立時習館高等学校を卒業後、東京教育大学体育学部に進学し、1960年に卒業。その後は、大学院教育学研究科に進学し、1969年には博士課程を単位取得退学し、大学で教務補佐員として働き始めました。

1974年からは愛知教育大学助教授を務め、その後、大阪大学や奈良教育大学においても助教授を歴任。1984年に奈良教育大学の教授となった後、1997年まで在職しました。その後、日本体育大学体育研究所教授を務め、1998年には同大学院教授に就任しました。稲垣氏は、2回にわたりスポーツ史学会の会長を務め、また神戸市外国語大学の客員教授やISC・21（21世紀スポーツ文化研究所）の主幹研究員としても活躍しました。

主な業績

稲垣正浩は、数多くの単著、共著、訳書を通じてスポーツ文化やスポーツ史に関する貴重な知見を提供しました。彼の著作には、1991年の『0（ゼロ）のことをなぜラブと呼ぶの?』や、全3巻から成る『スポーツを読む』シリーズ（1993-1994年）があります。また、1995年には『スポーツの後近代―スポーツ文化はどこへ行くのか』を発表し、2001年から2002年にかけては多くのスポーツ文化論に関する書籍を刊行しました。特に『スポーツ文化の脱構築』や『現代思想とスポーツ文化』は、スポーツの文化的側面を深く掘り下げた内容となっています。

彼はまた、スポーツ文化を多角的に分析した書籍も多数発表しており、『テニスとドレス』や『宗教文学のなかにスポーツ文化を読む』などは、その代表的な作品です。さらに、オリンピックや体育学についての書籍も執筆し、一般の読者にもわかりやすくスポーツの魅力を伝えました。

教育への貢献

稲垣氏の研究と執筆活動は、スポーツ史の発展だけでなく、教育の分野にも重要な影響を与えました。特に、彼が関与した様々な教育機関における教授職を通じて、多くの学生や研究者にスポーツ学の重要性を教えました。

国際的な影響

彼の業績は国内にとどまらず、国際的にも評価されています。稲垣氏の著作は、海外の研究者や学生にも広く読まれ、スポーツ文化の研究における重要なリソースとなりました。

結論

稲垣正浩の生涯と業績は、日本のスポーツ史学において重要な位置を占めており、彼の研究は今後のスポーツ文化の理解においても欠かせないものとなっています。彼の多彩な著作を通じて、スポーツが文化や社会に及ぼす影響をしっかりと学べることは、今後の研究や教育に大きな価値を与えることでしょう。

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