稲葉継雄

稲葉 継雄 (いなば つぎお)

概要

稲葉継雄は1947年に佐賀県唐津市で生まれた日本の教育学者及び歴史学者であり、現在は九州大学の教授を務めています。彼は比較教育学や朝鮮教育史を専門としており、特に旧韓末から植民地期の教育史に関する多くの実証的な研究を行ってきました。教育学博士としての彼の知識と経験は、日本の教育界において高く評価されています。

学歴と経歴

稲葉は唐津東高等学校を卒業後、九州大学教育学部に進学しました。卒業後は韓国の高麗大学に留学し、韓国語を習得しました。この留学経験は彼の学問に大きな影響を与え、その後の研究の基礎となりました。筑波大学での勤務を経て、母校の九州大学に復帰し、1997年に教授に就任しました。彼はさらに教育学部の学部長としても2年間活動し、教育に対する理解を深めるための努力を重ねてきました。

研究業績

彼の研究の特徴は、これまでの朝鮮人に対する教育だけに焦点を当てず、幅広く朝鮮における日本人（内地人）に対する教育にも光を当てている点です。これは、彼が朝鮮教育史の重要な側面に焦点を当てた先駆的な研究者であることを示しています。

主な著作

稲葉は自身の研究成果をいくつかの著書としてまとめており、その中でも特に次のような作品が評価されています。

• - 『旧韓国〜朝鮮の「内地人」教育』（九州大学出版会、2005年）：この作品では、旧韓国における内地人教育の実態を詳細に分析しています。
• - 『旧韓国の教育と日本人』（九州大学出版会、1999年）：日本人教員の役割とその教育への影響を探求した研究です。
• - 『旧韓国〜朝鮮の日本人教員』（九州大学出版会、2001年）：教育現場における日本人教員の活動とその背景を掘り下げています。
• - 『旧韓末「日語学校」の研究』（九州大学出版会、1997年）：日本語教育の実態とその影響について述べています。

さらに、彼は翻訳書や自費出版物も手掛けており、多様な視点から教育に関する知見を提供しています。例えば、尹泰林の著書『韓国人―その意識構造』の翻訳は非常に注目されています。

結論

稲葉継雄はその長いキャリアを通じて、教育学と歴史学の領域で多くの貢献をしてきた学者です。彼の研究は、朝鮮教育史を理解するための重要な資料として位置づけられています。教育に対する彼の情熱と深い知識は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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