穆宗 (遼)

穆宗（ぼくそう）：奢侈に溺れた遼の皇帝

穆宗（931年9月19日 - 969年3月12日）は、遼の第4代皇帝であり、太宗耶律堯骨の長男として生まれました。諱は述律。

即位と初期の統治

天禄5年（951年）、第3代皇帝であった従兄の世宗が暗殺された後、穆宗は新たな皇帝として即位しました。しかし、彼の治世は期待されたものとは大きく異なりました。

奢侈と政治の怠慢

即位後、穆宗は政治を顧みず、個人的な奢侈にふけるようになりました。彼の浪費癖は国庫を圧迫し、政治の腐敗を招きました。また、穆宗は非常に残忍な性格であったと伝えられており、拷問を好んだと史書に記されています。

重臣の分裂と反乱

穆宗の政治的怠慢は、重臣たちの権力争いを激化させ、彼らはそれぞれの派閥に分裂しました。これにより、遼の政治はますます混乱し、国力は徐々に衰退していきました。応暦15年（964年）には、満洲北部で遼に対する大規模な反乱が発生し、国内は騒然となりました。しかし、応暦16年（966年）には、この反乱を鎮圧することに成功しています。

暗殺と死

応暦19年（969年）、穆宗は王朝内の混乱の中で、側近によって暗殺されました。享年39歳という若さでした。彼の死は、遼の政治にさらなる混乱をもたらし、その後の歴史に大きな影響を与えました。

人となり

正妻に蕭皇后がいましたが、穆宗は性行為を嫌っていたという記録が残っています。

穆宗の治世は、遼の歴史における暗黒時代として記憶されています。彼の奢侈と政治的怠慢は、国を衰退させ、最終的には暗殺という悲劇的な結末を迎えました。彼の生涯は、為政者としての責任の重要性を示す教訓として、後世に語り継がれています。

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