積載形トラッククレーン

積載形トラッククレーンについて

積載形トラッククレーンは、一般的にトラックのシャーシにサブフレームを追加強化し、クレーン装置と荷台を装備した移動式クレーンです。このタイプのクレーンは、特にキャブバッククレーン車として知られ、古河ユニック株式会社が生産する「ユニック」という商標も浸透しています。

構造と操作

積載形トラッククレーンは、トラックの荷台に取り付けられたクレーン装置を持ち、一台の原動機で走行とクレーン作業を同時に行うことができます。通常、吊り上げ荷重が3トン未満のものが多いですが、3トン以上のクレーンについては、法令に基づく検査や届け出が必要です。クレーンの操作方式としては機体側での操作が一般的ですが、安全性向上の観点からリモコンやラジコンでの操作も増加しています。

このトラッククレーンには、以下の3タイプが存在します：
1. キャブバック型（運転席と荷台の隙間にクレーンが位置する）
2. 荷台内架装型（荷台内部にクレーンが組み込まれている）
3. リアオーバーハング型（荷台後部にクレーン搭載）

積載形トラッククレーンのブームタイプには直伸式と折曲式があり、国内では直伸式が主流です。主に搭載されているのは2トン以上のクラスですが、時に1トンから1.5トンの小型トラックや軽トラックへの搭載も見受けられます。

履歴と技術進化

ユニッククレーンは1961年に日本初の油圧式トラッククレーンが登場したことから始まり、1970年には荷台内架装型クレーンの開発が行われました。以降もリモコン装置やオートアクセルなどの技術が進化し、2004年には荷台内架装クレーンの作業範囲を広げるためのボップアップコラム型が開発されました。このように、積載形トラッククレーンはその利便性と安全性を向上させるために、年々革新が続いています。

安全性と操作性

安全性面では、転倒防止装置、巻過防止装置、デジタル式荷重計などの安全装置が装備され、現在のクレーンは手動から全自動化に移行しています。操作性を向上させる技術も進化し、よりスムーズな作業が可能となっています。

環境への配慮と低燃費化

積載形トラッククレーンは、エネルギー効率を考慮し、エンジンの回転数を減らすことで低燃費化が進められています。これにより、運客様の燃料コスト削減にも繋がっています。

まとめ

積載形トラッククレーンは、運輸業や建設業をはじめとした多様な分野で広く利用されています。その柔軟な設計と高い操作性を武器に、今後もさまざまな現場で活躍が期待される機械です。技術革新が進む中で、安全性や環境への配慮に優れた次世代の積載形トラッククレーンが登場することを期待します。

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