空音央(そら ねお、
1991年 - )は、日本とアメリカ合衆国を拠点に活動する
映像作家、
映画監督です。ニューヨークで生まれ、父は作曲家の
坂本龍一です。
幼少期から東京とニューヨークを行き来する生活を送り、ウェズリアン大学(米国
コネチカット州)で映画と哲学を専攻しました。大学卒業後は、フリーランスの
映像作家、アーティスト、翻訳家として活動を開始しました。
2015年には、北海道平取町二風谷で現代を生きる
アイヌ民族を捉えたドキュメンタリー作品『
アイヌネノアン
アイヌ』を共同監督しました。この作品は、
アイヌ文化の現状を深く掘り下げ、社会的な関心を呼び起こしました。
2016年からは、アーティストグループ「Zakkubalan」の一員として、ビデオアート作品などの制作に携わりました。2017年には、ワタリウム美術館やReborn-Art Festival(
石巻市)に作品を展示し、2019年にはシンガポール・ビエンナーレなど、国際的な舞台にも映像作品を出品しました。これらの活動を通じて、映像表現の可能性を追求しました。
2020年には、
志賀直哉の小説を原作とした短編映画『The Chicken』を監督・製作しました。同作品は
ロカルノ国際映画祭で上映作品に選ばれ、米国の映画誌『Filmmaker』で「注目すべき新進インディペンデント作家25人」に選出されました。この選出は、空の才能が国際的に認められたことを示しています。
2023年には、父である
坂本龍一の晩年のコンサートを捉えた映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』を完成させました。この作品は、坂本の死の半年前に撮影されたもので、ニューヨーク映画祭などで公開され、大きな話題を呼びました。
2024年には、初の長編監督作品となる『HAPPYEND』を発表しました。この作品では、脚本も自ら担当し、監視社会が進んだ近未来の日本を舞台に、多様な文化的背景を持つ高校生たちの生活を描きました。この作品は、空自身の生い立ちを反映した自伝的作品とも評され、ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門に選出された後、トロントやニューヨークなど、各地の主要な国際映画祭で上映されました。
主な監督作品
『アイヌネノアンアイヌ』 (2015) - Laura Liverani, Valy Thorsteinsdottirと共同監督
『The Chicken』 (2020)
『Ryuichi Sakamoto | Opus』 (2023)
『HAPPYEND』 (2024)
関連文献
荒木重光編『恐るべき新世代映画監督たち 山中瑶子 奥山大史 空音央 内山拓也 インタヴュー集』(K&Bパブリッシャーズ、2024)
外部リンク
Neo Sora|空音央 公式サイト
Neo Sora 空音央 (@nope_sooope) - X(旧Twitter)
Neo Sora 空音央 (@nope_sooope) - Instagram