空飛ぶゆうれい船

『空飛ぶゆうれい船』：幽霊船の冒険

概要

『空飛ぶゆうれい船』は、1969年7月20日に公開された東映動画の劇場用アニメーション映画です。上映時間は60分で、カラーとワイド版で制作されています。この作品は、石森章太郎（後の石ノ森章太郎）が1960年に月刊誌『少年』に発表した短編漫画「ゆうれい船」を基にして制作されました。

特に注目すべきは、巨大ロボット・ゴーレムと国防軍との戦闘シーンです。このシーンでは、攻撃を受ける飛行機のパイロットの視点で描かれており、当時の作品としては非常に新しい演出がなされています。また、原画スタッフとして後に『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』で知られる宮崎駿が参加していることでも話題になりました。

ストーリー

物語は、黒潮コンツェルンという巨大企業に関連する船が次々と謎の幽霊船に襲われる中で進展します。主人公の隼人は、両親と一緒にモーターボートを楽しんでいる最中に交通事故を目撃します。その事故は、父の勤務先である造船所の親会社の会長夫妻が巻き込まれていました。隼人は、夫妻を助けるために「幽霊屋敷」と呼ばれる洋館に運び込むのですが、そこで幽霊船の船長と遭遇します。

数日後、巨大ロボット・ゴーレムが街に現れ、破壊を引き起こします。防衛軍の戦車隊や戦闘機が出撃しますが、全く効果がなく、隼人の父も重傷を負います。重傷の父は、隼人が赤ん坊の頃に自分たちの子供として育てたことを告げ、息を引き取ります。このことを知った隼人は、両親の敵を討つために黒潮会長が編成する幽霊船討伐隊に参加したいと強く願います。

やがてニュースで、幽霊船が東京湾に現れたことが伝えられ、隼人は討伐隊への参加を決意するのですが、驚くことにゴーレムは幽霊船に攻撃するも、そのミサイルは幽霊船の前で自爆します。

黒潮邸で隼人が偶然にその内情を発見すると、地下に秘密の兵器工場が存在していたことが分かります。そこで、黒潮会長がゴーレムを使用して自らの利益を図っていることが明らかになります。

隼人はこの秘密を警察に訴えるも相手にされず、逆に黒服の者に拉致され、テレビ局のスタジオに連れて行かれます。会長は隼人の正義感を利用して幽霊船討伐キャンペーンを展開しようと目論んでいました。しかし、隼人はこの状況を逆手に取り、会長の秘密をテレビ放送で暴露します。

その後、巨大なカニがスタジオに乱入し、混乱に陥ります。隼人は逃げ惑う中で、空飛ぶ幽霊船に助けられます。幽霊船の船長は隼人の実の父でした。共に戦おうと決意する彼らは、海に浮かぶボアの本拠地へと向かいます。幽霊船は自爆し、隼人はカプセルに乗って逃れます。

声の出演

• - 嵐山隼人 - 野沢雅子
• - 黒潮会長 - 田中明夫
• - 嵐山技師（隼人の育ての父） - 名古屋章
• - ゆうれい船長（隼人の実の父） - 納谷悟郎
• - ルリ子 - 岡田由紀子

製作スタッフ

原作：石森章太郎
演出：池田宏
脚本：辻真先、池田宏
音楽：小野崎孝輔
作画監督：小田部羊一

『空飛ぶゆうれい船』は、多くの要素を融合させた魅力的な作品であり、今なお多くのファンに愛されています。

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