空飛ぶ新玉ネギ

空飛ぶ新玉ネギ：宮崎の早生たまねぎブランド

ブランド誕生の背景

宮崎県延岡市は、冬場でも日照時間が長く、温暖な気候に恵まれています。この恵まれた環境を活かし、JA延岡では極早生種のたまねぎ栽培に力を入れてきました。その結果生まれたのが、「空飛ぶ新玉ネギ」です。

「空飛ぶ新玉ネギ」という名前は、収穫された新鮮なたまねぎを航空便で主要都市へ迅速に届けることに由来しています。まさに空を飛ぶかのようなスピード感と、消費者の元へ新鮮なまま届くというこだわりが込められています。

当初は「トップゴールド」という品種が中心でしたが、現在では食味や品質を重視し、選抜された特定の品種を使用。葉付きのまま出荷される、高品質なA品M玉以上のたまねぎだけが「空飛ぶ新玉ネギ」として認定されます。

特徴と魅力

「空飛ぶ新玉ネギ」は、貯蔵用ではなく、生食用のたまねぎです。水分が多く、生でも甘くて柔らかいのが特徴。JA延岡によると、水にさらさなくても刺激臭が少なく、辛みが少ないため食べやすいとのことです。

また、葉付きで出荷されるため、葉や茎もネギのように鍋物やすき焼きなど、様々な料理に活用できます。無駄なく、美味しく食べられるのも魅力の一つです。

独自の栽培方法

「空飛ぶ新玉ネギ」の栽培には、独自のこだわりが詰まっています。

まず、土壌消毒には「太陽熱土壌消毒」という環境に配慮した方法を採用。真夏の太陽熱を利用して土壌を高温にすることで、病害虫を防ぎます。

種まきから植え付け、そして収穫まで、農家の丁寧な手作業が随所に光ります。有機肥料を使用し、一部農家では農薬の使用を極力控えるなど、安全・安心な生産に努めています。気候条件にも左右されるため、日照不足や雨、寒波など、自然の摂理と向き合いながら栽培が行われています。

品質と規格

「空飛ぶ新玉ネギ」は、厳しい品質基準をクリアしたたまねぎだけがブランドとして認められます。葉先まで丁寧に揃えられた葉付きたまねぎは、その見た目も美しく、贈答用としても最適です。

出荷規格に満たないものは、全体の約4割にも及びますが、それらは加工品として活用され、無駄なく消費者に届けられています。

歴史と受賞歴

「空飛ぶ新玉ネギ」の歴史は1996年の試験栽培に始まります。その後、全国販売を開始し、JA延岡は「日本一の超早出しタマネギ」として商標登録しました。

安全・安心な生産体制の構築と品質へのこだわりが認められ、数々の賞を受賞。2007年には農林水産大臣賞、県知事賞、経済連会長賞を受賞するなど、その品質の高さが証明されています。

加工品と販売

「空飛ぶ新玉ネギ」は、生食用だけでなく、様々な加工品にも姿を変えます。

規格外のたまねぎは「空飛ぶ新玉ネギこんにゃく」などの加工品に活用され、無駄なく消費されています。また、「空飛ぶ玉ネギドレッシング」や野菜ジュースなど、様々な商品が開発されています。

コンビニエンスストアでも販売されるなど、その美味しさが全国に広がりを見せています。

まとめ

「空飛ぶ新玉ネギ」は、生産者たちの努力と自然の恵みによって生まれた、まさに「奇跡のたまねぎ」と言えるでしょう。その高い品質と独自のブランド戦略は、日本の農業の未来を示す一つのモデルケースと言えるのではないでしょうか。

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