突撃 (1957年の映画)

突撃（Paths of Glory）

『突撃』は1957年に公開されたアメリカ映画で、スタンリー・キューブリックが監督を務めた作品です。この映画は、第一次世界大戦中のフランス軍を舞台に、戦争の非情さと軍の組織に内在する矛盾を描いています。また、キューブリックの妻となるクリスティアーヌ・ハーランも出演しています。

あらすじ

映画は、フランス軍のブルラール大将がドイツ軍の防衛線である『アリ塚』を陥落させようとするところから始まります。ミロー大将が指揮する部隊に対し、攻撃命令が下されますが、ミローの部下であるダックス大佐は現実を理解しており、兵士たちの疲労と士気の低下から無謀な戦闘をすることに強く反対します。しかし、彼の懸念は無視され、攻撃命令は実行されることになります。

作戦が開始されると、ダックス大佐は自ら連隊の先頭に立ち、勇敢に戦おうとしますが、敵の猛烈な砲撃と機銃掃射によって前進は遮られます。その中で、上層部からの突撃命令が下されますが、実際にはその命令を実行することは不可能でした。結局、ダックス大佐の連隊は命令に従わず、上層部からは不服従の嫌疑をかけられてしまいます。

ミロー大将はダックス大佐に、命令不服従の代表として兵士三人を選ぶよう命じます。これは、形ばかりの軍法会議で見せしめとして銃殺するための措置でした。ダックス大佐は元弁護士であり、たとえ命令が非合理的であっても、法的な手続きに従うべきだと考えます。彼は軍法会議で上層部に立ち向かいますが、組織の非情さによって彼の意見は受け入れられず、最終的に無情にも三人の兵士に銃殺刑が言い渡されます。

キャスト

映画の主演はカーク・ダグラスであり、自伝『クズ屋の息子』の中で、キューブリックが書いた脚本に強く惹かれた結果、主演を快諾したと語っています。しかし、本番に近づくにつれ、キューブリックが安易な形でストーリーを改訂したため、ダグラスは激しく不満を抱くことになります。その後、彼は元の脚本に戻させることに成功し、映画は無事に完成しましたが、二人の関係はその後も不仲のままであったと言われています。

文化的影響

『突撃』は1992年に「文化的、歴史的、または美学的に重要である」として、アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存されることになりました。この作品は、戦争の残酷さや道徳に対する問いかけを持ち、観る者に深い印象を与え続けています。戦争の無意味さや上層部の冷酷さを強烈に描写しており、今でも多くの人々に愛される名作です。

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