突貫カメ君

『突貫カメ君』(Touché Turtle and Dum Dum)は、アメリカのアニメーション制作会社、ハンナ・バーベラ・プロダクションによって1962年に制作されたテレビアニメシリーズです。

正義の味方と自称する、勇敢だがやや無鉄砲なカメの突貫(Touché Turtle)とその相棒、慎重で現実的なムク犬のダムダム(Dum Dum)の活躍を描いたギャグアニメーションです。

物語は、突貫の甲羅に内蔵された電話に事件の知らせが入電することで始まります。突貫は、ドン・キホーテのような熱意で悪者たちに立ち向かいますが、その猪突猛進ぶりは、いつもダムダムをハラハラさせます。ダムダムは突貫の無謀な行動をたしなめる役割を担っており、二人の絶妙な掛け合いが作品の魅力となっています。

『突貫カメ君』は、『リッピーとハーディー』(Lippy the Lion & Hardy Har Har)や『ワニのワリー』(Wally Gator)といった他のハンナ・バーベラ作品と合わせて放送されていました。三本立てで放送されることで、視聴者に多様なキャラクターとストーリーを提供していました。

日本では、1964年7月10日から9月25日まで、日本テレビ系列で『リッピィ・ハーディ珍道中』という枠組みの中で放送されました。その後、東京12チャンネル（現在のテレビ東京）でも放映されました。

日本語吹き替え版では、突貫の声を海野かつをさん、ダムダムの声を関敬六さんが担当しました。

特に、突貫が敵に向かって突撃する際の掛け声「とっか〜ん、進め〜！」は、当時流行語になるほどの人気となり、子供たちの間で広く親しまれました。また、ダムダムも突貫の真似をして「とっか〜ん、進め〜！」と叫びながら突撃を試みるものの、必ず失敗するというギャグも定番でした。

アニメのタイトルにもなっているように、巨大なタコなど、スケールの大きな敵に立ち向かう突貫の姿は、子供たちの想像力を掻き立て、冒険と勇気を与えるものでした。英語の掛け声「Touché away!」も随所に挿入され、作品に国際的な雰囲気を加えています。

『突貫カメ君』は、独特のキャラクター性とテンポの良いギャグ、そして親しみやすいストーリーで、多くの視聴者から愛された、ハンナ・バーベラ・プロダクションを代表するアニメーション作品の一つと言えるでしょう。その人気は、時代を超えて、現在でも多くのアニメファンに記憶されています。

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