窓の杜

窓の杜とは

窓の杜（まどのもり、WINDOWS FOREST）は、株式会社インプレスが運営する、Microsoft Windows用のオンラインソフトウェアを紹介するウェブサイトです。Impress Watchの一角を担っており、厳選されたソフトウェアを詳細に解説することで知られています。

概要

窓の杜は、単なるソフトウェア紹介にとどまらず、様々な特集記事も掲載しています。同種のサイトであるVectorとの大きな違いは、紹介するソフトウェアの数を少数に絞り込み、それぞれのソフトについて深く掘り下げた解説を提供している点です。また、2002年から2017年まで、ほぼ毎年エイプリルフールには「窓の社（まどのやしろ）」というユニークな企画を展開していました。

名前と由来

「窓」という名前は、Microsoft Windowsの「Windows」を日本語に直訳したものです。「杜」は、質の高いオンラインソフトウェアが集まる場所を「森」に見立てて名付けられました。また、前身となるサイト「秋保窓（あきうまど）」を立ち上げた際、制作者であるひぐちたかし氏が宮城県仙台市に住んでいたことから、仙台の雅称である「杜の都」にちなんで「杜」の字が用いられました。

歴史

前史

1994年、ひぐちたかし氏が東北大学内のサーバーで「秋保窓」を開設したのが始まりです。当時、使用していたサーバー名が「Akiu」であったことに由来します。GoogleやYahoo!もなく、Windows 95すら存在しない時代に、ひそかな人気を集め、日本最古のオンラインソフト紹介サイトの一つとされています。

黎明期

1996年5月、秋保窓の利用者が学外からも増え、回線速度の問題から本来の目的である学術利用に支障をきたすようになりました。また、日本経済新聞社とのアフィリエイト関係が構築されたことから、国立大学関係者として不適切であると問題視され、一旦閉鎖に追い込まれました。その後、DTIなどの商用サーバーへ移転しましたが、アクセス過多のため、安定した運営が困難な状況が続きました。

窓の杜誕生

1996年10月14日、インプレス社（当時）の協力のもと、サイトを移転し、「窓の杜」と改名しました。これにより、ひぐちたかし氏の個人サイトから、インプレス社との共同運営へと移行しました。公式には、この日を窓の杜の誕生日としています。

1996年10月15日、窓の杜として正式な運用を開始しました。同年、Yahoo! JAPAN主催のWeb of the Yearでコンピュータ部門1位を獲得し、以降、同イベントが廃止されるまで、全ての年で同部門1位を独占しました。

1998年2月2日、サイトのレイアウトが現在のものに近い形に変更されました。このレイアウト思想は、その後長年にわたり継承されることになります。また、この頃にサイトの名義がインプレス社単独へと変更されました。

運営方針の転換

1998年6月2日、経営危機により、運営方針が大幅に転換されました。2000年4月1日には、初のエイプリルフール企画として「窓の杜韓国語版」「同中国語版」が公開されました。

姉妹サイトとリニューアル

2000年11月14日、姉妹サイトとしてMacintosh用のソフトウェアを紹介する「林檎の杜」が開設されましたが、うまくいかず、提携していた雑誌の休刊も重なり、2002年3月29日に閉鎖されました。2001年3月14日には、バナー画像が窓を意識したものから杜を意識したものへと変更されました。2001年4月1日には、エイプリルフール企画として女性向けオンラインソフト情報サイト「窓の杜elle」が公開されました。

2001年12月17日、ひぐちたかし氏が自身の担当コーナーを終了し、編集部から身を引きました。2002年10月1日、レイアウトの変更やサイドメニューの動的化が行われ、2004年4月2日にはリニューアル準備のため、一時的に記事の更新が中止されました。2004年4月12日には、レイアウトやデザインが変更されました。

近年

2005年10月3日、旧インプレス社の事業分割に伴い、Impress Watch社名義となりました。2016年6月1日、創刊20周年を記念してレイアウトがフルリニューアルされました。

窓の社（まどのやしろ）

2002年4月1日、エイプリルフール企画として、オンラインソフト捏造サイト「窓の社」が初めて掲載されました。以降、ほぼ毎年エイプリルフール企画が実施され、2006年4月3日には、「日本インターネット エイプリルフール協会」主催の「2006年ばかオブザイヤー」でdotBar賞を受賞しました。2011年は企画が延期され、2017年にはツイッター経由でのアクセスに変更されましたが、以降は更新されていません。

トラブル

窓の杜大賞の偏向票問題

1996年と1997年の窓の杜大賞では、編集部の票がユーザー票よりも大幅に重く設定されており、結果に大きな影響を与えました。例えば、1997年には一般投票で2位だったMuleがスタッフ票によって5位になり、一般投票でMuleより順位が低かったInternet Explorerが2位になりました。この偏向に対し、ユーザーから中立性に欠けると批判されました。1998年からは、特別賞以外は一般投票のみで決定するルールに変更されました。

ボツの杜問題

1997年頃に存在した「ボツの杜」というコーナーは、掲載されなかったソフトウェアを「ボツソフト」として紹介する内容でした。しかし、ソフトウェア作家たちの反発を招き、名称を「杜の若葉」に変更した後、最終的には企画そのものが廃止されました。

Firefox拡張機能問題

2005年2月の特集記事で、「拡張機能」と「プラグイン」の違いを解説した上で、「拡張機能」を「プラグイン」と呼ぶとしました。Firefoxでは「拡張機能」と「プラグイン」は明確に区別されるため、Firefoxユーザーから批判を浴びました。その後、別の特集記事で「今後は拡張機能と呼ぶ」としましたが、過去の記事の修正は行われませんでした。

外部リンク

窓の杜
窓の杜 (@madonomori) - X（旧Twitter）
窓の杜 (impress.madonomori) - Facebook
窓の社（まどのやしろ）

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