立ち食い

立ち食いとは

立ち食いとは、文字通り立ったまま食事をすることを指します。また、飲食店においては、屋台やスタンドのように、立ったまま食事をする形式の店舗を指します。

立ち食いの特徴

立ち食い形式の店舗は、駅構内やオフィス街など、手早く食事を済ませたいニーズが多い場所に立地していることが多いです。

販売側にとっては、席を設けないことで、以下の様なメリットがあります。

混雑時の顧客の回転率を向上させることができる
客席を設ける必要がないため、店舗面積あたりの収益率を上げることができる
店舗面積が狭く、立ち食い以外の形態をとることが難しい場合がある
椅子などの消耗品を準備する必要がない
椅子がないことで清掃がしやすい

また、一般的に、席のある店よりも値段が安く設定されていることが多いです。

店舗は、狭い調理スペースとカウンターが設置されており、客はカウンターに向かって食事をします。移動しない屋台に近い形態と言えるでしょう。セルフサービスの飲料水サーバーや食券販売機が併設されていることが多く、店員の作業量を減らし、より早く食事を提供できるよう工夫されています。

立ち食いの種類

現代の日本で最も一般的なのは、立ち食い蕎麦屋です。江戸時代から存在しており、当時は蕎麦だけでなく、酒、寿司、天ぷらなども立ち食い形式で提供されていました。現在では、焼き鳥やカレーライスなど、調理に時間のかからない料理を提供する店が多く見られます。

また、近年では、フランス料理やステーキなど、調理に時間がかかる料理を提供する立ち食い形式の店も現れています。

立ち食い蕎麦屋：最も一般的な立ち食い形式の店舗。手軽に蕎麦やうどんを味わえる。
立ち食い寿司：江戸時代には一般的だったが、現在は少なくなっている。ただし、屋台の形式の名残として、店名に「立ち食い」と掲げている店も存在する。
立ち飲み屋：酒類を提供する立ち飲み形式の店も数多く見られる。
立ち食い焼肉：2009年頃から登場した比較的新しいジャンル。
立ち食いフレンチ、ステーキ：2010年代に入り登場した、調理に時間がかかる料理を提供する新しい形式の店。

立食（りっしょく）との違い

「立ち食い」と似た言葉に「立食（りっしょく）」があります。「立食」は、広義には立ったまま食事をすることを指しますが、一般的には、立食パーティーのように、料理をビュッフェ形式で提供し、参加者が立って食事をする形式を指すことが多いです。

辞書によっては「立ち食い」と「立食」を同義語とするものもありますが、多くの場合は、パーティー形式の立食に限定して使われています。

立食パーティー

立食パーティーは、料理をビュッフェ形式で提供し、参加者が立って自由に料理を取り分け、食事をするパーティー形式です。

立食形式のパーティーは、参加者が自由に動きやすく、交流しやすいという利点があります。また、料理の提供側にとっては、大皿料理は調理の手間を軽減でき、個別に配膳する必要がないため、コスト削減に繋がります。

立ち食いの歴史

立ち食いの文化は、江戸時代から存在していました。当時は、蕎麦や寿司、天ぷらなどを手軽に食べられる形態として、広く庶民に利用されていました。現在でも、立ち食い蕎麦屋などに、その名残を見ることができます。

「立食」という言葉は、明治時代に西洋の文化を取り入れる中で生まれた言葉で、「座食」の対義語として使われ始めました。

まとめ

立ち食いは、手軽に食事を済ませたい時に便利な形式です。古くからある蕎麦屋などの他に、近年では様々なジャンルの店が登場しており、その多様化は今後も続くと考えられます。

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