立待岬

立待岬

立待岬は、北海道函館市住吉町に位置する、津軽海峡に面した風光明媚な岬です。函館山の南東に突き出た断崖絶壁は、高さ約30メートルにも及びます。

概要

岬からは、大森浜から湯の川方面へと続く美しい海岸線や、広大な津軽海峡を一望できます。特に天気の良い日には、遥か遠くの下北半島を望むことができ、夜には津軽海峡に浮かぶイカ釣り漁船の漁火が幻想的な光景を作り出します。

岬の周辺には、ハマナスが植えられた「はまなす公園」や売店などが整備されており、観光客の憩いの場となっています。また、与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑も設置されており、文学的な雰囲気を醸し出しています。

地名の由来は、アイヌ語の「ヨコウシ」（待ち伏せするところ）や「ピウス」（岩の上で魚を待ち伏せして、ヤスで獲る場所）に由来するとされています。古くから漁場として利用されていたことがうかがえます。

18世紀末には、北方警備のために台場が設置され、外国船の監視が行われていました。第二次世界大戦終結までは要塞地帯法により、一般市民の立ち入りが制限されていました。

石川啄木一族の墓

立待岬へと続く道は、車一台が通れる程度の幅しかありません。函館市電谷地頭停留場から岬までは、上り坂を20分ほど歩く必要があります。その坂道の途中にある墓地の一角には、石川啄木とその一族の墓があります。

啄木は、2年弱の北海道での放浪生活の第一歩を函館の青柳町で記しました。死後、友人の宮崎郁雨らによって、啄木が愛した大森浜を望むこの地に墓が建てられました。墓碑には、歌集「一握の砂」に収められた歌「東海の小島の礒の白砂に／われ泣きぬれて／蟹とたはむる」が刻まれています。墓の隣には、宮崎郁雨と砂山影二の歌碑が建っています。

アクセス

無料駐車場あり（40台、冬期は車両通行止め）
函館市電「谷地頭停留場」下車、徒歩20分

立待岬は、豊かな自然と歴史、文学に触れることができる、函館を代表する観光スポットです。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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