立教大学ラッシャーズ

立教大学体育会に所属するアメリカンフットボールチーム、セントポールズラッシャーズ（英語: Rikkyo Univ. St.Paul's Rushers）は、日本の大学アメフト史において重要な位置を占めるチームです。

現在、チームは関東学生アメリカンフットボール連盟の一部リーグであるTOP8に所属しており、チームカラーとしてパープルとホワイトを採用しています。

創成期を支えたルーツ校

セントポールズラッシャーズの歴史は古く、1934年にその第一歩を踏み出しました。これは、日本の組織的なアメリカンフットボールが始まった黎明期にあたります。立教大学教授であったポール・ラッシュ氏が、明治大学、早稲田大学と共に創設の中心となり、日本の大学アメフト界における「ルーツ校」の一つとして礎を築きました。

チーム名「Rushers」は、この偉大なポール・ラッシュ博士への敬意と、そのフットボールへの情熱を受け継ぐという思いを込めて名付けられています。

日本のアメリカンフットボールの公式な歴史は、1934年10月28日に立教大学の五番館で東京学生米式蹴球連盟（現在の関東学生アメリカンフットボール連盟）が設立されたことから始まります。さらに、同年12月8日には、立教大学の池袋グラウンドで立教大学と明治大学の間で行われた試合が、日本で初めて開催された大学公式戦とされています。この歴史的な一戦が、日本におけるアメリカンフットボールの本格的な幕開けとなりました。

輝かしい甲子園ボウルの歴史

セントポールズラッシャーズは、全国の頂点を争う甲子園ボウル（全日本大学選手権決勝戦）において、数々の輝かしい成績を残しています。これまでに6回の出場経験があり、そのうち4回で優勝という素晴らしい記録を持っています。

1951年: 初めての甲子園ボウル出場で、関西学院大学を19対14で破り、初出場初優勝の快挙を達成しました。
1952年: 2年連続で関西学院大学と対戦し、20対0で勝利。見事連覇を果たしました。
1960年: 再び関西学院大学を下し、36対16で3度目の優勝。
1965年: 関西学院大学との試合は22対22の引き分けとなりましたが、両校優勝として4度目の栄冠を手にしました。

これらの実績は、特に日本の大学アメフトが発展途上にあった時代のチームの圧倒的な強さを示しています。

立教フットボールファミリーの拡がり

立教大学におけるアメリカンフットボールは、大学チームだけに留まらず、組織的な拡がりを見せています。1971年には立教高校（現在の立教新座高校）にアメフト部が設立され、大学チームへの有力な供給源となっています。また、若い世代への普及と育成にも力を入れており、2000年には立教小学校でフラッグフットボールチームが発足。さらに、2002年には中学生および小学生向けのRushers Football Clubが創設されるなど、未来の選手を育成する一貫した体制を構築しています。

チームの精神的支柱

セントポールズラッシャーズは、創設者の一人であるポール・ラッシュ博士がチームに遺した精神を、今も大切に受け継いでいます。

その理念は、「Do your best and it must be first class.（最善を尽くし、かつ一流であれ）」という言葉に集約されています。選手たちはこの言葉を行動指針とし、常に最高のパフォーマンスを追求し、「First Class」たる存在であり続けることを目指して日々活動しています。

その他

チームは伝統的に、ポール・ラッシュ博士が創設に関わったキープ協会が運営する清泉寮（山梨県清里高原）を夏合宿の拠点として使用しており、チームとラッシュ博士の深いつながりを感じさせます。

また、チームの歴史には、ポール・ラッシュ氏自身や、ジョージ・マーシャル氏、松本瀧藏氏、小川徳治氏、服部慎吾氏など、日本アメリカンフットボールの発展に多大な貢献をし、後に日本アメリカンフットボール殿堂入りを果たした多くの功労者たちが関わっています。

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