立教大学体育会バスケットボール部

立教大学体育会に所属するバスケットボールチーム。1921年（大正10年）に日本の大学としては比較的早期に創設された歴史を持ち、現在も関東大学バスケットボール連盟に加盟しています。チームの活動拠点は埼玉県新座市にある新座キャンパスです。

チームの黎明と発展

日本のバスケットボール競技は、1913年（大正2年）にアメリカから来日したフランクリン・H・ブラウンによって本格的に伝わり、当初はYMCAを中心に普及が進みました。このような背景の中、立教大学にバスケットボール部が誕生したのは1921年（大正10年）のことです。創部には、東京YMCAの体育主事を務めていた立教大学の卒業生である西村氏がコーチとして尽力し、同じく東京YMCAで活動していた予科生の野村憲夫氏もスタッフに加わりました。初代部長は文学部教授の井出義行氏が務めました。創部当初、池袋移転後の体育館の室内設備が未完成という課題がありましたが、関係者の努力により同年9月には設備が整い、練習環境が確立されました。創部と同じ年に、野村憲夫氏は東京YMCAの選手として上海で開催された第5回極東選手権大会（後の極東競技大会）に出場しています。

翌1922年（大正11年）5月、東京女子高等師範学校を会場に行われた第2回全日本バスケットボール選手権大会に立教大学はB組で出場。決勝では強豪の大阪YMCAとの激戦を制し、見事に初優勝を飾りました。この優勝は大学内外で大きな反響を呼び、同年10月には体育会への正式加盟が認められるなど、チームの地位向上につながりました。この優勝チームには、後に立教学院理事長となる松崎一雄氏や、高輪プリンスホテル支配人を務めた野村久秀氏などが名を連ねていました。

1923年（大正12年）には、大阪での第6回極東選手権大会にYMCAとの合同選抜チームとして参加。同年9月1日には関東大震災が発生し、東京YMCA体育館が焼失する大きな被害がありましたが、震災からの復興を目指して開催された東京市震災復興大会では立教大学が優勝するなど、困難な状況でも活動を続けました。

大学バスケ界での地位確立と黄金時代

1924年（大正13年）、日本の大学バスケットボール界の発展に貢献するため、全日本学生籠球連合（現在の関東大学バスケットボール連盟）の発足に参画しました。同年に開催された第1回関東大学リーグ戦（立大、商大、早大が参加）で優勝すると、その勢いのまま同年の全日本総合選手権でも初代王者に輝きました。同年12月には上海への遠征を行い、姉妹校である聖ヨハネ大学と対戦するなど、国際交流も行いました。

その後も立教大学は大学バスケ界の強豪として君臨し、1925年（大正14年）の第2回関東大学リーグ戦での優勝に加え、第6回から第8回まで3連覇、さらに第15回から第18回にかけても4連覇を達成するなど、安定した強さを見せました。この間、1927年（昭和2年）の第8回極東選手権大会にも、立教大学と商大の選抜チームとして参加しています。

戦後、特に1950年代から1960年代にかけては、チームの最も輝かしい「黄金時代」を迎えます。この時期、全日本総合選手権で4回、全日本学生選手権（インカレ）で6回の優勝を重ね、全国レベルでの圧倒的な強さを示しました。

その後の変遷と現在

黄金時代以降、チームは成績が低迷する時期に入り、2005年には関東大学リーグで4部まで降格するという厳しい経験もしました。しかし、その後再び立て直しを図り、現在は2部に所属しています。

これまでに獲得した全国タイトルは、全日本総合バスケットボール選手権大会での7回優勝と、全日本学生バスケットボール選手権大会での6回優勝を合わせ、合計13回に上ります。この全国タイトル獲得数は、日本体育大学に次いで歴代第2位という、大学バスケットボール界における輝かしい実績を誇っています。

主な成績

全日本総合バスケットボール選手権大会：優勝7回（1924年、1941年、1943年、1953年、1954年、1956年、1963年）
全日本学生バスケットボール選手権大会：優勝6回（1952年、1954年、1955年、1958年、1961年、1962年）

主な卒業生

バスケットボール界の要職を担った人物や、他分野で活躍した卒業生を多数輩出しています。

秋吉恒俊（元バスケットボール日本代表監督）
荒井利一（元オリンピック日本代表）
大島康邦（元オリンピック日本代表）
海保宣生（元オリンピック日本代表、元鹿島アントラーズ・エフ・シー常務取締役）
金川英雄（元オリンピック日本代表）
小宮宗勝（元バスケットボール日本代表）
紺野仁（元オリンピック日本代表）
斎藤博（元オリンピック日本代表、元日本代表コーチ）
東海林周太郎（元オリンピック日本代表、元日本代表監督）
杉山武雄（元オリンピック日本代表）
張利鎮（元オリンピック日本代表、元オリンピック韓国代表）
冨山晋司（バスケットボール指導者、日本代表テクニカルスタッフ、元千葉ジェッツヘッドコーチ）
奈良節雄（元オリンピック日本代表、元日本代表コーチ）
野村久秀（元極東選手権競技大会日本代表）
梅勝夫（元オリンピック日本代表）
服部信雄（元オリンピック日本代表）
前田昌保（元オリンピック日本代表、元日本代表コーチ）
松崎一雄（元立教学院理事長、森永商事社長、森永製菓副社長）
三浦正（元バスケットボール日本代表監督）
吉田正彦（元バスケットボール日本代表、元日本代表監督）

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