立木の伐木作業者

立木の伐木作業者とは

立木の伐木作業者とは、労働安全衛生法に基づく「伐木等の業務に係る特別教育」を修了した者を指します。この特別教育は、一定以上の規模の立木を伐採する際に必要となる資格で、安全に作業を行うための知識と技能を習得することを目的としています。

作業範囲

立木の伐木作業者が取り扱う主な業務は以下の通りです。

胸高直径70cm以上の立木の伐木：胸の高さで測った直径が70cmを超える大きな立木の伐採作業を行います。
胸高直径20cm以上で重心が著しく偏っている立木の伐木：直径が20cm以上でも、木の重心が大きく偏っている不安定な立木の伐採作業も担当します。
つり切りその他特殊な方法による伐木：特殊な伐採方法を用いる場合も、この資格が必要です。
かかり木処理：伐採中に他の木に引っかかってしまったかかり木の処理も行います。この場合、かかり木の胸高直径が20cm以上である必要があります。

これらの作業は、高度な技術と安全管理が求められるため、特別教育を受けた専門家が行う必要があります。

受講資格

立木の伐木作業者の特別教育を受講するためには、満18歳以上であることが条件となります。

特別教育の内容

特別教育の内容は、各講習機関によって異なりますが、一般的には以下の科目が含まれます。

学科

伐木作業に関する知識：伐木作業の基本、安全対策、作業手順などを学びます。
チェーンソーに関する知識：チェーンソーの構造、使用方法、メンテナンス方法などを学びます。
振動障害及びその予防に関する知識：チェーンソー作業による振動障害とその予防策について学びます。
関係法令：労働安全衛生法など、伐木作業に関連する法令を学びます。

実技

伐木の方法：実際に立木を伐採する技術を習得します。
チェーンソーの操作：チェーンソーを安全に操作する技術を習得します。
* チェーンソーの点検及び整備：チェーンソーの日常点検、メンテナンス方法を習得します。

特別教育の変遷

2019年2月11日以前は、独立した特別教育として実施されていましたが、2019年2月12日以降、新しい特別教育が交付されました。経過措置として、2020年7月31日までは改正前の講習も有効でしたが、2020年8月1日にチェーンソー作業者の特別教育と統合され、単独の立木の伐木作業者の特別教育は廃止されました。現在では、チェーンソー作業者の特別教育を受講することで、立木の伐木作業も行うことができるようになっています。

その他

多くの教習所では、チェーンソー作業者の特別教育と同時に受講できるようになっています。これは、伐木作業にはチェーンソーの知識と技能が不可欠であるためです。

まとめ

立木の伐木作業者は、専門的な知識と技能を持ち、安全に伐採作業を行うための資格です。以前は独立した特別教育でしたが、現在はチェーンソー作業者の特別教育に統合されています。伐木作業を行う際には、必ず適切な資格を持つ作業者に依頼するようにしましょう。

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