立花兄弟

立花兄弟（たちばなきょうだい）

高橋陽一氏の漫画作品『キャプテン翼』に登場する架空の双子サッカー選手。兄の立花政夫（たちばな まさお）と弟の立花和夫（たちばな かずお）からなる兄弟であり、血液型は共にB型です。

人物像とプレースタイル

ポジションは主にフォワード（FW）やミッドフィールダー（MF）を務めます。秋田県鹿角市花輪の出身で、その最大の特徴は、双子ならではの卓越した意思疎通を活かしたアクロバティックなコンビネーションプレイです。身軽さを生かした空中戦を得意とし、「トライアングルシュート」「スカイラブハリケーン」「ツインシュート」といった、見た目にも華やかな技を多用します。政夫が兄、和夫が弟という関係ですが、基本的には対等なパートナーとしてプレー。ただし、政夫がリーダーシップを取ったり、和夫が政夫を「兄ちゃん」と慕ったりする場面も見られます。外見は瓜二つで、区別が非常に難しく、作中でも他のキャラクターに間違えられる描写があります。作者自身も描き分けをしていないため、作中で見分けるには背番号やセリフの前後関係で判断するしかありません。出っ歯が共通の特徴。しばしばチームメイトの石崎了を「サル」とからかっていましたが、自分たちもサル顔であることを自覚している描写もあります。アクロバティックな技は高い効果を発揮する一方で、足への負担や怪我のリスクが高く、出場機会が安定しないという側面も持ち合わせています。一部メディアでは、元U-20日本代表監督の手倉森誠・浩兄弟がモデルではないかとする説が報じられたこともありますが、原作者や出版元からの公式な証言はありません。

経歴

地元秋田の花輪サッカー少年団（花輪SS）で才能を開花させ、花輪中学校を経て秋田商工高校に進学。卒業後はJリーグのジェフユナイテッド市原（現在のジェフユナイテッド市原・千葉）に入団しています。

小学生編: 花輪SSの核として全国大会に出場。チームは彼ら双子に攻撃を任せ、他メンバーは守備に徹するという特異なスタイルでした。全国大会予選リーグでは南葛SC、明和FCと同組となり、明和戦を引き分けて南葛戦に臨みます。温存していた「トライアングルシュート」で南葛から同点ゴールを奪うなど活躍を見せますが、最終的に敗退し、決勝トーナメント進出を逃しました。劇場版では「トライアングルシュート」で先制点を奪うなどヨーロッパ選抜相手にもその実力を見せています。

中学生編: 花輪中のキャプテンとして全国大会に出場。南葛中との対戦では、新技「スカイラブハリケーン」を駆使して一時同点に追いつきます。しかし、この技による足への負担から、最終的には「ツインシュート」を放つも、石崎のブロックにより阻まれ敗退しました。

ジュニアユース編: 全日本代表に選出され、チームバランスからMFにコンバート。次藤洋との連携技「スカイラブツインシュート」を編み出し、アルゼンチン戦でゴールを奪う活躍も見せました。

ワールドユース編: 賀茂監督の指導により、政夫は「山猿キープ」や「ムササビジャンプ」といった個人技を習得。和夫は一時ゴールキーパーを務め、その身体能力の高さを見せました。レギュラー争いは激化しますが、中国戦やメキシコ戦などで要所で出場し、持ち前の身体能力やスカイラブを守備に活かすなどチームに貢献。しかし、メキシコ戦でガルシアに負傷させられ、その後の出場機会は減少します。

ROAD TO 2002: プロとしてジェフユナイテッド市原に入団。かつてのチームメイトである次藤、佐野の所属するアビスパ福岡と対戦しました。

GOLDEN-23 / ライジングサン: 身体の成長によりスカイラブの使用が困難になる中、双子の意思疎通を活かしボランチとしてもプレー。オリンピック出場をかけたオーストラリア戦ではFWとして先発し、選手生命をかけた「ファイナルスカイラブハリケーン」で先制点を演出しましたが、その代償として負傷退場しました。

得意技

トライアングルシュート: ゴールポストなどを利用して跳躍し、ヘディングやシュートを行う初期のアクロバティック技。
スカイラブハリケーン: 一人が仰向けになり発射台となり、もう一人がその足に乗って空高く飛び上がり、ヘディングシュートを放つ技。守備にも応用され、立花兄弟の代名詞とも言えますが、使用には大きな負担が伴います。
ツインシュート: 二人が同時にボールを蹴り込み、不規則な軌道のブレ球シュートを生み出す技。
スカイラブツインシュート: 次藤を土台として二人が同時に飛び上がり、空中でツインシュートを放つ協力技。
* 山猿キープ / ムササビジャンプ: 全日本離脱後の特訓で習得した、政夫の個人技。

ゲーム版での技

テクモ版やその他のゲーム作品では、原作にはない「ジェミニアタック」「スカイラブタックル」「スカイラブブロック」「時間差スカイラブ」「スカイラブストーム」「スカイラブタイフーン」といった独自の連携技やスカイラブの派生技が多数登場しています。

担当声優

立花政夫、和夫ともに、各テレビアニメシリーズやゲーム作品で異なる声優が担当しています。

立花兄弟は、そのユニークなプレースタイルと強烈な個性で、『キャプテン翼』シリーズにおいて、主人公・大空翼率いるチームの重要な戦力、あるいはライバルとして、物語に欠かせない存在感を示しています。

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