竜と狼

『竜と狼』：氷と炎の物語、終結への序曲

HBOの大人気ファンタジー・ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン7の最終話「竜と狼」は、物語のクライマックスへ向かう重要な転換点となるエピソードです。様々な場所で同時進行する出来事が、登場人物たちの運命を大きく左右し、次なる戦いを予感させます。

キングズランディングでの会談

デナーリス率いる軍勢とドスラク軍がキングズランディングに到着し、竜舎の廃墟でデナーリスとサーセイの会談が行われます。ジョン・スノウはホワイト・ウォーカーの脅威を訴え、ハウンドが〈亡者〉をサーセイに見せ、ドラゴングラスと炎が有効であることを示します。しかし、ユーロンは恐れて艦隊と共に鉄諸島へ帰還。サーセイは北部の中立を条件に休戦を提案しますが、既にデナーリスに忠誠を誓っているジョンはこれを拒否。交渉は決裂します。

ティリオンは単身でサーセイと会い、休戦を説得。サーセイは一応は休戦に合意しますが、これは嘘であり、ユーロン艦隊はエッソスへ〈黄金兵団〉を迎えに行く途中であることが判明。ジェイミーは失望し、キングズランディングを去ります。街には雪が降り始め、不穏な空気が漂います。

ドラゴンストーンでの別れと旅立ち

デナーリス、ジョン、ティリオンらはドラゴンストーンに戻り、今後の戦略を協議します。ジョンは、北部の人々の支持を得るため、デナーリスと共にホワイトハーバーへ向かうことを提案。出発前、シオンはジョンに自身の過去を悔い、許しを請います。ジョンはシオンを許し、シオンは姉ヤーラを救出するため、鉄諸島の仲間を説得しようとします。最初は反発されますが、シオンの決意が仲間たちの心を動かし、ヤーラ救出の旅に出ます。

ウィンターフェルでの裏切りと処刑

ウィンターフェルでは、リトルフィンガーことピーター・ベイリッシュがサンサに、アリアがサンサを殺害しウィンターフェルの領主になろうとしていると教唆します。サンサはアリアをアリンの谷間の兵で固めた広間に呼び出し、一見アリアへの審問のように見せかけます。しかし、それはリトルフィンガーを糾弾するための策略でした。サンサは、ブランの能力を借りてリトルフィンガーの過去の悪事を暴き、裏切り、暗殺、策略など、数々の罪を暴きます。リトルフィンガーはサンサに許しを請いますが、サンサの命によりアリアが彼を処刑します。姉妹は冬を乗り切るために団結を誓い合います。

サムがウィンターフェルに到着し、ブランと再会します。ブランはジョンがレイガー・ターガリエンとリアナ・スタークの息子であり、本来はサンド姓ではなくターガリエン家の血を引いていることを明かします。サムはレイガーの婚姻無効が記録された日誌を読んでいたため、ジョンが落とし子ではないことを指摘。ブランは過去を視て、リアナとレイガーが愛し合っていたこと、ジョンの本名がエイゴン・ターガリエンであることを知ります。ジョンは鉄の玉座の正当な後継者だったのです。

狭い海での愛の交わり

北へ向かう船上で、デナーリスとジョンは愛を交わします。お互いの正体を知らぬまま、二人は惹かれ合います。ティリオンは二人の関係を複雑な思いで見つめます。

〈壁〉の崩壊と新たな脅威

イーストウォッチでは、トアマンドとベリックらがホワイト・ウォーカーの軍勢が〈壁〉に迫っているのを目撃します。〈夜の王〉は蘇生させたヴィセーリオンに乗り、青い炎で〈壁〉を破壊します。トアマンドらは攻撃を逃れますが、多くが氷に巻き込まれます。〈亡者〉の大軍が南へと侵攻を開始し、物語は新たな局面を迎えます。

製作と評価

本エピソードは、原作者との話し合いに基づき、ショーランナーの二人が脚本を担当しました。リトルフィンガー役のエイダン・ギレンは本作で降板となりました。視聴率では、アメリカ合衆国で1207万人に視聴され、シリーズ最高記録を更新。また、第70回プライムタイム・エミー賞では、ピーター・ディンクレイジが助演男優賞を受賞、作曲賞と特殊メイク賞も受賞しました。

「竜と狼」は、物語の終盤に向けて、大きな出来事が連続して起こる、非常に重要なエピソードです。様々な陰謀、裏切り、そして新たな脅威が描かれ、視聴者を次なる展開へと引き込む力強い作品となっています。

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