竜ヶ池 (名古屋市)

竜ヶ池（たつがいけ）

竜ヶ池は愛知県名古屋市昭和区にある鶴舞公園内で最大の池です。この池の名前は、旧名古屋市の東南に位置することに由来しています。また、八幡山古墳の土がこの池の土を使っているという噂もあります。1909年、名古屋市は鶴舞公園の設置に関する告知を出しており、その中で「ツルマ」という言葉は水の湧き出る場所を示していることが記されています。そのため、この池は遊水地帯として農業用水を供給する目的で作られたと考えられていますが、正確な池の成立時期はわかっていません。

竜ヶ池は元々水が豊富で、大雨の後は周辺の大池町から精進川に流れ込むことがあったと言われています。この池を源流とする二つの流れが、公園内にある他の池とそれらを繋ぐ渓流の水源となっています。一つの流れは、竜ヶ池の北西部に位置する登竜橋をくぐり、熊澤山の北側を流れ降りて胡蝶ヶ池へ注ぎます。この流れは、周囲の景観に深山の渓流の趣を与えています。また、もう一方の流れは1923年に造られた菖蒲池へ水を流すため、池の南西部分に水門が設けられています。そこから流れ込んだ水は、吉田山の麓で合流し、最終的には鯱ヶ池に向かいます。

竜ヶ池は1954年に池の一部が埋め立てられるなどの工事が行われ、歴史的には美しい水が湧き出ていた場所として知られていましたが、周辺の市街化と下水道の整備により、水質が悪化してしまいました。この問題を解決するため、日本麦酒株式会社（現・サッポロビール）名古屋工場から冷却水の供給を受けることが決まり、1955年には特別なパイプが設置されました。この時に創設された滝は「酒匂の滝」と名付けられ、当時の工場長にちなんで名付けられました。しかし、2000年にビール工場が閉鎖された後は、地下水を利用して池の水が充填されるようになりました。

加えて、1945年に発生した空襲によって、池に架かる浮見堂が破壊されましたが、1956年には再建されています。竜ヶ池は、その美しさと歴史的経緯を背景に、今も多くの人々に親しまれています。さらに、TBS系のドラマ「キッズ・ウォー」シリーズの撮影地としても知られており、地域の文化的資源としての役割を担っています。水辺の自然を楽しむ場所としても多くの訪問者を引き寄せており、その魅力は今後も色褪せることはないでしょう。

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