竜飛ウィンドパーク

竜飛ウィンドパークの概要

竜飛ウィンドパークは、青森県東津軽郡外ヶ浜町に位置していた集合型の風力発電所であり、1992年に設置されました。これは、東北電力が新エネルギー産業技術総合開発機構（NEDO）と共同で実施した風力発電の実証研究施設としての役割を担っていました。その設置当時は、日本国内で最大規模の風力発電基地であり、近隣地域のエネルギー需要を一手に賄う重要な拠点でした。

現在、ほとんどの風車は撤去されてしまいましたが、ホテル竜飛の近くにある1基だけが残されています。運営当時は、4種類の風力発電装置が11台組み合わされており、総設備容量は3,375kWに達していました。このような様々な機器を用いて、風車の保守合理化や雷対策の研究が行われていました。

また、竜飛ウィンドパークには訪れる人々が風力エネルギーに触れることができる「展示館」も設置されており、風車の模型や体験装置が展示されていました。展示館は毎年4月25日から11月10日まで開館しており、多くの観光客や専門家が訪れました。

運営と撤去

しかし、竜飛ウィンドパークの風車は小型であり効率が良くなかったこと、さらに老朽化が進んでいたことから、2007年3月末をもって実証試験が終了することが決まりました。その後、ほとんどの風車は2008年に撤去されましたが、一部の設備は外ヶ浜町と第三セクターの津軽半島エコエネによって譲渡され、跡地には新たに2基の風力発電装置が建設されました。この新しい発電所は2010年に竜飛風力発電所として運転を開始しました。

また、ホテル竜飛には風車が1基併設されており、ここでは太陽光発電とも合わせて電力を供給しています。展示館自体は閉館後も青函トンネル記念館と廊下でつながっていたため、一時的には記念館の展示室を介して入館できたこともありましたが、正常に稼働しない設備もありました。

発電機の詳細

竜飛ウィンドパークに設置されていた風力発電機は、すべて水平軸プロペラ式のアップウインド型でした。それぞれの発電機の特性は以下の通りです。

• - 1〜5号機: 試験開始は1992年4月、定格出力は275kW、ハブ中心高さは30.0m、翼直径は28.0mです。
• - 6,7,9,10号機: 試験開始は1995年10月、定格出力は300kW、ハブ中心高さは同じく30.0m、翼直径は29.0mです。
• - 8号機: 試験開始は2000年7月、定格出力は300kWで、翼直径は30.0m。出力制御方式には可変速運転も取り入れられました。
• - 11号機: 試験開始は2000年3月、高さは44.0m、定格出力は500kW。これは特に大きな風車です。

竜飛ウィンドパークは、当時の日本における風力発電の最前線を象徴する存在であり、多くの研究成果と経験を残しました。その後のエコエネルギーの発展に寄与することとなったのです。

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