競技場 (バレーボール)

バレーボールの試合は、国際バレーボール連盟（FIVB）や日本バレーボール協会（JVA）が定める仕様に準拠した競技場で行われます。競技場は、選手が直接プレーする範囲であるコートと、その周囲のフリーゾーンで構成されています。

コートとライン

コートは長方形で、幅5cmのライン（サイドラインとエンドライン）によってフリーゾーンと明確に区切られています。コートの中央にはセンターラインが引かれ（ただしビーチバレーにはセンターラインはありません）、その真上にネットが張られます。室内競技（6人制・9人制）では、これらのラインは通常、床面にラインテープで示されます。一方、ビーチバレーでは砂地に埋めるため、砂と異なる色のリボンが柔らかなアンカーで固定されます。

6人制バレーボールでは、センターラインからエンドライン側に3mの場所にアタックラインが設けられます。このラインは、後衛のプレイヤーがフロントゾーン（アタックラインよりネット側）で攻撃する際の踏み切り位置や、リベロがオーバーハンドでネットを越えるセットをする際の基準となるなど、ルールの適用に関わる重要な境界線です。

コートの広さは、成人男子用コートなど、カテゴリー別に定められた国際的な基準に基づいています。床面の材質は、室内競技では木製が一般的ですが、国際大会では弾力性のある合成素材（タラフレックスなど）が使用されることがあります。ビーチバレーでは、きめ細かく、40cm以上の深さがある砂地が必須条件となります。

フリーゾーン

コートの周囲に広がるフリーゾーンは、選手がボールを追ってプレー可能なエリアです。この範囲の広さも競技規則によって定められており、一般成人用には規定寸法があります。特に6人制では、2015/16シーズンから最低限確保すべきフリーゾーンの広さが改定され、より広いスペースが求められるようになりました。

競技空間の高さと照度

競技場全体の高さ、特に天井高は、最低12.5mが必要とされています。これは、高く打ち上げられるボールに対応するための規定です。照明についても基準があり、競技面の高さ1mの位置で1000ルクスから1500ルクス程度の明るさが求められます。この照度基準は、ビーチバレーのナイトゲームにも適用されます。

ネットとアンテナ

コートを二分するネットは、10cm角の網目状で、上端と下端には白い帯が付いています。この白い帯間の垂直方向の長さは1mです。ネットの両端、サイドラインの真上にはサイドバンドが取り付けられ、有効なプレー空間の側面境界を示します。ネットの高さは、成人、高校生などカテゴリーによって異なり、それぞれの競技規則で定められています。

ネットに取り付けられるアンテナは、直径1cm、長さ1.8mの細長いポールで、グラスファイバーなどの素材で作られ、10cm間隔で赤白の縞模様に塗り分けられています。アンテナはネット上部の空間に80cm突き出す形になり、ボールがネット上を通過する際の有効なコースを判断する際の目印となります。アンテナの設置位置は競技形式によって異なり、6人制およびビーチバレーではサイドバンドの外側に接して設置されますが、9人制ではサイドバンドから20cm外側に設置されます。

その他の設備

室内で行われる6人制および9人制バレーボールでは、試合に出場していない控え選手などが待機し、ウォーミングアップを行うためのウォームアップエリアが設けられます。ビーチバレーではこのエリアはありません。

バレーボール競技場は、これらの要素が組み合わさることで、選手たちが安全かつ公平に最高のパフォーマンスを発揮できる環境を提供しています。

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