竹むら

老舗甘味処「竹むら」の歴史と魅力

東京都千代田区神田須田町に佇む「竹むら」は、昭和5年（1930年）創業の老舗甘味処、和菓子店です。揚げ饅頭を看板商品として、地元住民や観光客から長年愛されてきました。歴史を感じさせる建物は、東京都選定歴史的建造物にも指定されており、その趣あるたたずまいは多くの人の心を掴みます。

歴史的建造物としての「竹むら」

平成13年（2001年）に東京都選定歴史的建造物に選定された「竹むら」の建物は、木造3階建て。入母屋造りの屋根と、2階の欄干に施された竹と梅の模様、軒下に下げられた木の提灯が特徴的です。提灯には「竹邑」の文字が確認できるなど、細部までこだわりが感じられます。外観からは屋根と庇によって4層あるように見える、独特の構造も魅力です。その美しい景観は、現代の喧騒の中にあって、静かな佇まいを保っています。

多様な作品への登場

「竹むら」は、その独特の雰囲気から、数々の作品に登場しています。

小説では、池波正太郎氏の『散歩の時に何か食べたくなって』にその名が登場します。また、ドラマ『元カレ』『ヒミツの花園』、そして『虎に翼』では甘味処「竹もと」のモデルとして登場し、作品の世界観を彩っています。映画では、『ステレオ・フューチャー』（永瀬正敏、竹中直人出演）、『ちょんまげぷりん』（錦戸亮、ともさかりえ、鈴木福出演）といった作品にロケ地として起用されました。

特撮作品では『仮面ライダー響鬼』（2005年～2006年）において「甘味処たちばな」として登場し、アニメ『ラブライブ！』（2013年）では、主人公・高坂穂乃果の実家である和菓子屋「穂むら」の外見モデルとなったとされています。『ラブライブ！』をきっかけに、若い世代のファンも訪れるようになったとのことです。

揚げ饅頭と伝統の味

「竹むら」の看板商品である揚げ饅頭は、丁寧に作られた生地と、絶妙な揚げ加減が特徴です。甘すぎず、上品な味わいは、老若男女問わず人気があります。他にも、季節の和菓子や甘味など、伝統を守りながら現代のニーズにも合わせたメニューを提供しており、幅広い世代から支持を集めています。

まとめ

昭和初期から続く老舗甘味処「竹むら」は、歴史的建造物としての価値、そして数々の作品に登場する存在感、そして何より、その味と雰囲気で、多くの人々を魅了し続けています。神田須田町を訪れる際には、ぜひ足を運んで、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。歴史と伝統、そして現代が融合した独特の空間で、ひとときを過ごすことができるでしょう。

もう一度検索