竹ヶ島 (宇和島市津島町)

竹ヶ島（たけがしま）

竹ヶ島は愛媛県の宇和島市、岩松港の沖約5kmに位置する面積0.5km²の有人島です。島の周囲は3kmで、最高峰は172mに達します。この島は磯釣りの名所としても著名で、多くの釣り愛好者が訪れます。

地理と環境

竹ヶ島は大部分が海食崖に囲まれていますが、北東側には少しだけ平地が広がり、そこに小さな集落があります。また、北東端には砂嘴が形成された陸繋島「高島」が存在するため、季節風や波浪の影響を軽減する役割を果たしています。ただし、同市内には同名の高島も存在するため、混同しないよう注意が必要です。このような地理的条件により、島には小規模な漁港も設けられています。

竹ヶ島の歴史は元禄13年（1700年）にまで遡ります。当初、宇和島藩の庄屋赤松家が開墾したのですが、1918年（大正7年）には漁民たちがこの土地を買い取ることになります。また、別の説では淡路島から移り住んできた人々が関与しているとも言われています。

社会と生活

竹ヶ島は宇和島市に属し、行政区画には支所などは存在しません。世帯数は年々減少しており、平成19年（2007年）には20世帯59人、令和2年（2020年）には6世帯12人と少人数のコミュニティが形成されています。

島内には宇和島市立竹ヶ島小学校が1校ありますが、2016年3月からは休校中です。また中学校は1970年に本土の津島中学校に統合されたため、現在は島内に中学校は存在しません。中学生は本土の学校に通うため寄宿舎に入る必要があります。市町が進める漁業集落環境整備事業を通じ、全ての世帯に排水処理が行われています。

日常の郵便物や新聞は、島の自治会員が交替で本土から取り寄せて、島内の各世帯に配達しています。

産業

竹ヶ島の主要な産業はかつてイワシ網漁でしたが、近年では一本釣り漁業が主体となっています。特に昭和30年代後半には真珠母貝の養殖が盛況を迎えましたが、真珠貝の大量死によって養殖業は厳しい状況に直面しました。

交通

四国本土との定期旅客航路は存在せず、住民はチャーター船を利用する必要があります。漁業に従事する住民が多く、自らの漁船で行き来することが一般的です。また、かつて小学校の教員も漁船を使って通っていましたが、現在は学校が休校中であるため、この状況も変わっています。月に2回程度、自治会が住民の通院や買い物のために不定期に連絡船を運航しています。

竹ヶ島は、自然豊かな環境と地域コミュニティの温かさが魅力の島です。

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