竹内弘高

竹内弘高：知識創造とグローバルな視点を持つ経営学者

竹内弘高（たけうち ひろたか）は、1946年10月16日生まれの日本の経営学者です。ハーバード大学経営大学院シニアフェロー、一橋大学名誉教授、そして学校法人国際基督教大学理事長という要職を歴任し、その幅広い知識と経験は、学術界だけでなく実業界にも大きな影響を与えています。専門分野はマーケティング、企業戦略と多岐にわたり、教育者、研究者、企業役員として多角的な視点から日本のビジネスを牽引しています。

生い立ちと学問への道

東京都で生まれた竹内氏は、セント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジを経て、国際基督教大学（ICU）に入学します。しかし、大学紛争による大学封鎖を経験し、カリフォルニア大学バークレー校へ留学。1969年にICUを卒業後、広告代理店勤務を経て、再び学問の道へ進むため、カリフォルニア大学バークレー校で経営学修士号と博士号を取得しました。この間、野中郁次郎氏との出会いが、研究者としてのキャリアを決定づけました。

ハーバードと一橋での教育活動

博士号取得後、マッキンゼーからの誘いを断り、ハーバード大学ビジネススクールの助教授に就任。その後、一橋大学に移り、商学部助教授、教授として教鞭を執りました。ハーバード大学ビジネススクールでは客員教授も務め、国際的な教育活動を展開しました。一橋大学では大学院国際企業戦略研究科長も務め、後進の育成にも力を注ぎました。

理論と実践の融合

竹内氏の研究活動は、理論と実践の融合を重視しています。野中郁次郎氏との共著『知識創造企業』は、全米出版家協会の「ベストブック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、世界的に高い評価を得ました。この著書では、日本企業の強みである知識創造プロセスを体系的に分析し、グローバルな競争環境における企業の競争優位性を解き明かしています。また、トヨタ自動車の知識創造経営に関する研究も行い、日本企業の競争力強化に貢献しました。

企業経営への貢献

研究活動に加え、竹内氏は多くの企業の役員も歴任しました。オリックス株式会社、大和証券グループ本社、トレンドマイクロ株式会社、インテグラル株式会社、ファーストリテイリングなど、多種多様な企業で経営に携わり、企業経営の現場で得た知見を教育や研究に活かしています。これらの経験は、竹内氏の理論が実践的なものであることを証明しています。

多岐にわたる社会貢献

竹内氏は、教育者、研究者、企業役員としての活動に加え、日本経済新聞社『NIKKEI GSR PROJECT』の副主査も務め、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。また、多くの学生を指導し、阿久津聡（一橋大学教授）、大薗恵美（一橋大学教授）など、各界で活躍する人材を輩出しています。

著作と訳書

竹内氏は、『マーケティング・アンビション思考』、『トヨタの知識創造経営』、『日本の競争戦略』など、多数の著作を発表しています。また、マイケル・ポーターの『競争戦略論』の翻訳も手掛けています。これらの著作や訳書は、経営学を学ぶ上で欠かせない重要な文献となっています。

まとめ

竹内弘高は、日本の経営学界を代表する人物の一人です。教育者、研究者、企業役員として、多岐にわたる分野で活躍し、その知見は、日本だけでなく世界のビジネス界にも大きな影響を与えています。グローバルな視点と知識創造の重要性を説き、理論と実践を結びつける竹内氏の活動は、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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