竹取物語 (1987年の映画)

映画『竹取物語』

『竹取物語』は、日本の特撮映画として1987年に公開され、東宝映画とフジテレビが製作を手掛けている。この作品は、古典的な物語である竹取物語を現代にアレンジし、かぐや姫の正体を宇宙人とするという革新的な設定が注目されている。また、特撮技術を駆使した大伴大納言と竜との壮絶な戦い、さらには蓮の花型の巨大宇宙船が登場するラストシーンなど、視覚的にも魅力的な作品だ。

基本情報

本映画は、1987年9月26日に公開され、文部省の選定を受けた。同年開催された第2回東京国際映画祭で特別上映されたことでも話題を呼んだ。作品はカラー撮影でパナビジョン方式を採用し、圧巻の映像美を楽しむことができる。

ストーリー概要

物語は、ある夜に巨大な火の玉が山に落ち、その影響で竹取の造が光る竹を発見するところから始まる。そこで見つけた幼児は、驚くべきことにすぐに少女の姿に変わり、竹取の造は彼女を家に連れ帰る。妻の田吉女は彼女を故加耶の生まれ変わりだと信じ込み、生活を共にする。そして、竹取の造が売った竹の中に純金が隠れていたことが判明し、一躍裕福になる。

そのころ、朝廷に仕える大伴の大納言は、都に流れ込む金の出所を調査しようと動き出す。竹取の造は、加耶を貴族と結婚させるために都に近い地に屋敷を構え、彼女の評判は瞬く間に広がる。しかし、加耶は大伴の大納言に恋心を抱いており、他の求婚者とは一味違う関係に期待を寄せている。

加耶は友人の明野に相談し、彼女の求婚者たちが自身の気持ちを証明する名宝を探しに出かけるのを助ける。求婚者が旅立つ中、加耶は自身が月の住人であり、事故により地球に降り立ったことを家族に打ち明ける。そして、ある日、帝が加耶に参内を命じるが、彼女はそれを拒否し、より一層帝の関心を引くこととなる。

結末のクライマックス

特に重要な展開として、大伴の大納言と加耶の運命、そして他の求婚者の動きが交錯する。加耶は、月の住人からの迎えの船が来ることを告げ、竹取の造と田吉女は月の住人たちの非情さに怒りを覚える。物語が進む中で、加耶の正体を知った大伴の大納言は護衛を名乗り出るが、帝もまた月の船を待ち構え、壮絶な攻防が繰り広げられる。

加耶は人間の真心を忘れないと告げ、竹取の造や田吉女との別れを経験しつつ、ついに月へ帰る決断を下す。彼女の選択は、愛と運命、そして人間の厚誼を考えさせる感動的な結末を迎える。豊かな視覚効果と情緒的なストーリーテリングは、この作品に深みを与えており、1987年の特撮映画の中でも特に印象に残る一作である。

登場キャラクターとキャスト

• - 加耶（かぐや姫）：沢口靖子
• - 大伴の大納言：中井貴一
• - 車持の皇子：春風亭小朝
• - 安倍の右大臣：竹田高利
• - 明野：小高恵美
• - 竹取の造：三船敏郎

特撮技術やキャスト陣の演技も評価されていて、視覚的な魅力と共に深い物語が観客の心を惹きつけてやまない作品である。

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