竹宮ゆゆこ

竹宮ゆゆこ：小説から一般文芸へ、多様な才能を発揮する作家

竹宮ゆゆこ氏は、1978年2月24日生まれの日本の小説家、漫画原作者です。東京都出身で、現在も同地在住。ストレートエッジに所属しています。2004年9月、小説『うさぎホームシック』（『わたしたちの田村くん』第1話）で小説家デビューを果たしました。同時期には、美少女ゲーム『Noel』のシナリオも担当しています。

彼女の才能はライトノベル分野で開花しました。『このライトノベルがすごい！』ランキングにおいて、2007年度6位、2008年度4位、2009年度2位と、高い評価を獲得。2007年にはライトノベルアワードのラブコメ部門賞を受賞しています。代表作である『とらドラ!』は、アニメ化もされ、大きな成功を収めました。アニメ化にあたり、当初は10巻程度のプロットを想定していたものの、編集者との協議を経て、複数回の書き直しを行い、最終的に10巻という大作に仕上げられています。この制作過程の裏側もインタビューなどで語られており、創作活動の真剣さと努力を垣間見ることができます。

『ゴールデンタイム』の完結後、竹宮氏は一般文芸へと活動の場を移しました。新潮文庫、文春文庫などから多くの作品を発表しており、その作風はライトノベル時代からのファンのみならず、新たな読者層も獲得しています。

かつて『電撃文庫MAGAZINE』に寄稿していたエッセイは、自身のホームページやSNSを持っていない彼女を知る貴重な機会となっていました。これらのエッセイでは、作品に込めた思いや創作活動への姿勢など、作家としての真摯な姿が垣間見えました。

プライベートではたらこスパゲティ好きとして知られ、読者からは「たけゆゆ」「三十路」「ゆゆぽ」などの愛称で親しまれています。作品の後書きでは、ダイエットや年齢に関するユーモラスなエピソードを披露することも多く、親しみやすい人柄がうかがえます。『とらドラ!』の好きなキャラクターについて、以前からずっと高須亜美だと語っており、作品への深い愛情も感じられます。

作品リスト

小説

ライトノベル

『わたしたちの田村くん』（電撃文庫、イラスト：ヤス）
『とらドラ!』（電撃文庫、イラスト：ヤス）
『ゴールデンタイム』（電撃文庫、イラスト：駒都えーじ）

一般文芸

『知らない映画のサントラを聴く』（新潮文庫〈新潮文庫nex〉、装画：ふゆの春秋）
『砕け散るところを見せてあげる』（新潮文庫〈新潮文庫nex〉、装画：浅野いにお）
『あしたはひとりにしてくれ』（文春文庫、装画：かわかみじゅんこ）
『おまえのすべてが燃え上がる』（新潮文庫〈新潮文庫nex〉、装画：高野ひと深）
『応えろ生きてる星』（文春文庫、装画：かとうれい）
『あなたはここで、息ができるの?』（新潮社／新潮文庫〈新潮文庫nex〉、装画：山口つばさ）
『いいからしばらく黙ってろ!』（KADOKAWA／角川文庫、装画：米代恭）
『心が折れた夜のプレイリスト』（新潮文庫〈新潮文庫nex〉、装画：北村英里）
『あれは閃光、ぼくらの心中』（文春文庫、装画：ともわか）
『心臓の王国』（PHP研究所、装画：はらだ）

漫画原作

『エバーグリーン』（電撃コミックス、作画：カスカベアキラ）

ゲームシナリオ

『海からくるもの』（rouge）
『Noel』（FlyingShine）
* 『ゴールデンタイム Vivid Memories』（角川ゲームス、監修）

竹宮ゆゆこ氏は、ライトノベルから一般文芸へと活動の幅を広げながら、多様な作品を生み出し続けている稀有な作家です。その才能と今後の活躍に、ますます目が離せません。

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