竹山昭子

竹山 昭子の生涯と業績

竹山 昭子（たけやま あきこ）は、1928年10月30日に東京で誕生し、日本の放送史研究の先駆者として知られる人物です。彼女は昭和女子大学の元教授であり、放送の黎明期や太平洋戦争中のラジオ放送の実態を解明する研究で知られています。旧姓は楢木（ならき）で、夫はTBSアナウンサー第2期生の竹山恭二です。

学歴と初期のキャリア

竹山は日本女子大学文学部の社会福祉学科を卒業し、1951年4月に大学生活を終えた後、特別調達庁に勤務を開始します。この機関では、進駐軍向けの物資の調達や管理、調査と統計の仕事に従事しました。同年10月、彼女は東京放送（TBS）のアナウンサー第1期生として入社し、放送界でのキャリアをスタートさせました。

フリーアナウンサーとしての活動

1961年5月、TBSを退社した竹山は、フリーアナウンサーとして活動します。1967年頃まで自身の声を用いてさまざまなラジオ番組に出演し、人気を博しました。特に、TBSラジオで放送された『名作アルバム』や『バイバイゲーム』などの番組でその存在感を示しました。彼女はまた、1958年に『ご婚約者の横顔 ─正田美智子アルバム』でナレーションを担当するなど、テレビでも活躍しました。

教職と研究活動

アナウンサー業を終え、竹山は教職の道を選び、1983年には立正大学短期大学部の助教授に就任します。そして1988年に昭和女子大学文学部の教授に就任し、1997年には定年退職して名誉教授となりました。この教育者としての立場を通じて、彼女は多くの学生に影響を与えました。

竹山はまた、社会心理研究所のメンバーとして、社会心理学の側面からも研究を行っており、これにより放送史と心理学の接点を模索しました。

業績と著作

竹山の著作は多岐にわたります。彼女の代表作には、『話し方コミュニケーション』（1985年）、『玉音放送』（1989年）、『戦争と放送 史料が語る戦時下情報操作とプロパガンダ』（1994年）、『ラジオの時代 ラジオは茶の間の主役だった』（2002年）、『史料が語る太平洋戦争下の放送』（2005年）、『その時ラジオは 太平洋戦争下』（2013年）などがあります。これらの書籍は、放送史を理解するための重要な文献として評価されています。さらに、共編著作として『職場の話し方上達法 '話し方'できみは変わる』（1981年）や『メディア史を学ぶ人のために』（2004年）もあります。

放送史の研究と影響

竹山昭子の研究は、彼女自身の経験に基づいており、特に戦前・戦中・戦後を通しての日本の放送の実情を細かく探求しました。彼女は戦時中のラジオ放送の役割やその影響について多くの資料を収集し、研究を行いました。この研究は、後の放送史研究やメディア研究に多大な影響を与え、その功績は広く認識されています。彼女の業績は、単なる学界に留まらず、一般の人々にも影響を与え続けています。

竹山の一生を通じて、放送という媒体が時代背景や社会情勢にどのように反応し、変化してきたのかを知ることができます。彼女の功績は、今後も放送史の研究において重要な指針となるでしょう。

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