竹林院 (奈良県吉野町)

竹林院について

竹林院（ちくりんいん）は、奈良県吉野郡吉野町の吉野山に位置する単立の寺院です。この寺院は、不動明王や蔵王権現、役行者、弘法大師を本尊としており、その名称は1385年に変更されたものであります。竹林院は、大峯山寺の護持院の一つとしても知られています。また、宿坊である群芳園は特に訪問者に人気があります。

歴史

この寺院の開創については、聖徳太子が初めて設立したとされ、当初は椿山寺との名で知られていました。その後、空海が弘仁年間に訪れ、常泉寺と改称したと伝えられています。戦国時代には、院主の尊祐が弓道の達人として名を馳せ、弓道流派を形成したこともあると言われています。

しかし、明治初頭に神仏分離が進められたことにより、1874年に廃寺となってしまいました。その後、天台宗の寺院として復興され、1948年には修験道系統の単立寺院として現在の形を得ました。竹林院は、役行者の霊蹟札所としても訪れる人々に知られています。また、1981年には昭和天皇が奈良県を訪れた際、行在所となったことも特筆すべき出来事です。

群芳園

竹林院内には、回遊式庭園である群芳園があります。この庭園は大和三庭園の一つとして名高く、千利休によって設計され、細川幽斎により手が加えられたと伝わっています。群芳園は、その美しい景観が多くの訪問者を魅了し、心を落ち着ける場所としても親しまれています。庭芸を楽しむことができ、四季折々の花々が訪れる人々を癒します。

文化財

竹林院は重要文化財を複数有しており、その中には「紙本墨書慶長十九年五山衆試文稿」や、伝聖徳太子の坐像である「木造童形神坐像」が含まれています。これらは、寺院の歴史的・文化的価値を示す証拠として、多くの学者たちによって研究されています。

まとめ

竹林院は、悠久の歴史を持つ寺院であると同時に、文化財や美しい庭園を有する場所です。訪れる人々に静かな時間を提供し、精神的な安らぎをもたらすこの寺院は、地域の文化を支える重要な存在といえるでしょう。吉野山の自然の中で、古の歴史に思いを馳せながら散策することができる、貴重なスポットです。

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