第一書記

第一書記とは

第一書記（だいいちしょき）は、主にマルクス・レーニン主義政党における党首を示す称号の一つです。英語では "First Secretary"、ロシア語では "Первый секретарь" と表記されます。

歴史

ソビエト連邦共産党

ヨシフ・スターリンの死後、ゲオルギー・マレンコフはスターリンの役職であった閣僚会議議長（首相）のみを継承し、書記局の名簿の筆頭に名を連ねるにとどまりました。その後、ニキータ・フルシチョフが権力を掌握し、「書記の一員」であることを示す「第一書記」の称号を採用しました。この称号は、スターリン批判の一環として個人崇拝否定の象徴となりましたが、レオニード・ブレジネフ時代に「書記長」に戻されました。

各国共産党

ポーランド統一労働者党、ドイツ社会主義統一党、チェコスロバキア共産党、モンゴル人民革命党、ベトナム労働党なども、ソ連共産党に倣って党首の称号を「第一書記」に改めました。ブレジネフ時代以降は「書記長」に戻されましたが、その時期はソ連に比べて遅く、1970年代後半から1980年代まで「第一書記」が使用されました。ただし、キューバ共産党は結党以来「第一書記」を使用しています。ベトナム語漢字表記では「第一秘書」ですが、日本語・中国語では「第一書記」と表記されます。

朝鮮労働党

朝鮮労働党では、金正日の死去後、総書記に代わる新たな最高職として2012年に「第一書記」が設置され、金正恩が就任しました。2016年には金正恩が「党委員長」に就任し、「第一書記」は廃止されましたが、2021年の党大会で「党中央委員会第一書記」として復活しました。金正恩が総書記に就任し、第一書記には趙甬元が就任したと報じられています。第一書記は金正恩の委任を受けて会議を主催する権限を有し、事実上のナンバー2と評されています。

日本共産党

日本共産党では、1955年に野坂参三が「第一書記」に就任しましたが、1958年には宮本顕治が「書記長」に就任し、「第一書記」という職名はなくなりました。1970年には「書記局長」が設けられ、不破哲三が就任しましたが、最高指導者である共産圏諸国の書記長とは異なり、委員長を補佐するポジションでした。

その他の政党

マルクス・レーニン主義政党ではない政党でも、「第一書記」を職名に使用している場合があります。フランス社会党の党首は「第一書記」（フランス語: Premier secrétaire）と呼ばれます。

関連項目

キューバ共産党中央委員会第一書記
書記長
総書記 - 「書記長」と「総書記」の原語は同じ「Генеральный секретарь」です。
委員長

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