第一次パーニーパットの戦い

第一次パーニーパットの戦い

1526年4月21日時点で、インドのパーニーパットにおいて行われた第一次パーニーパットの戦いは、ムガル帝国の創始者バーブルと、ローディー朝の王イブラーヒーム・ローディーの間で繰り広げられました。この戦闘は、単に戦いとしてだけでなく、ムガル帝国の成立をもたらす重要な出来事でした。

戦闘に至る背景

16世紀前半、北インドではローディー朝が権力を握っていましたが、王の死後、貴族たちの争いが続き、国家の統治が脅かされていました。イブラーヒーム・ローディーは王朝を継承しましたが、彼の統治は貴族たちとの内部対立に苦しんでいました。一方、バーブルはティムールの直系の子孫であり、数回北インドに遠征をしていました。

バーブルはローディー朝の貴族たちがイブラーヒームに対抗する中、北インドへの進出を計画していました。その中でも、パンジャーブ総督ダウラト・ハーン・ローディーやメーワール王国のラーナー・サンガからの支持を受け、バーブルは1863つの兵力をもって、進軍の準備を整えました。彼は一時的にラホールまで到達しますが、支援者たちの不在により引き返さざるを得なくなります。

戦闘の詳細

1525年の11月、バーブルは約12,000の兵士を率いてインダス川を渡りました。一方、イブラーヒームは、実際にはそれほどの数には達していなかったかもしれませんが、名目上は10万人の兵士と1000頭の戦象を導いて迎撃に向かいました。両軍は4月にパーニーパットで対峙します。

バーブルは自軍を民家が多い地域に配置し、木の枝で隠した壕で守りを固め、敵に自軍の数を悟られないようにしました。さらに、荷車を並べて防壁を作り、その隙間から火器を発射できるようにしました。

戦闘は1週間にわたり小規模な衝突が続き、4月21日の夜明け、イブラーヒーム軍が攻勢に出るものの、バーブルの布陣の堅固さに驚き、躊躇してしまいます。この隙をついて、バーブル軍は側面と後方から襲撃をかけ、正面からは火器で射撃を行いました。イブラーヒームは、戦象を効果的に使えず、彼を守る少数の兵士たちとともに必死に抵抗しましたが、敗北を喫し戦闘は正午までに決着がつきました。

推定では、戦闘において1万6000人以上が命を落とし、バーブルの元にはイブラーヒームの首が届けられました。

戦後の影響

この勝利によりローディー朝は滅亡し、バーブルの下にムガル帝国が誕生しました。その後、バーブルはアーグラとデリーを制圧し、その地域の支配を確立していきました。しかし、帝国の安定に向けては、メーワール王国のラーナー・サンガや他の多くの勢力との戦闘が続き、依然として多くの課題に直面していました。

第一次パーニーパットの戦いは、バーブルの軍事的な才覚と戦術が結実し、ムガル帝国の形成に向けた一歩を刻んだ歴史的な瞬間であり、インド史における重要な転機となりました。

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