第一次神聖戦争

第一次神聖戦争（紀元前595年-紀元前585年）は、デルフォイの隣保同盟とキラの間で行われた戦争です。この戦いは、キラがアポロン神を軽んじ、その聖域を侵したことが原因で勃発しました。

隣保同盟は、シキュオンの僭主クレイステネスを司令官に、そしてアテナイのソロンを助言者として迎え、キラへの攻撃を開始しました。クレイステネスはキラを包囲しましたが、「神域が海に接しない限り、キラの町は征服されない」という神託が存在したため、内陸に位置するキラの人々は包囲をものともしませんでした。

そこで、クレイステネス（またはソロンの指示により）町と周辺の土地を全て神に捧げ、法的に神域が海に接するようにしました。さらに、ソロンはプレイトス川の流れを変え、キラへの水の供給を断とうとしましたが、キラの人々は雨水を利用したため、この作戦は失敗に終わりました。

次にソロンは、ヘレボルスの根を川に投入し、毒が水に行き渡った後で川の流れを元に戻しました。この毒に汚染された水を飲んだキラの人々は、下痢に苦しみ、ついにキラは陥落しました。ただし、このヘレボルスの策を提案したのは、エウリュロコスという将軍であるという説も存在します。

また、フロンティヌスによれば、クレイステネスはキラの町に入る水道管を一度遮断し、3日後に水道管を修復する際にヘレボルスの毒を流し込んだとされています。

キラの陥落後、その一帯は神に捧げられ、キラの市はデルフォイの外港としての役割を担うことになりました。

参考文献：
パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎、1991年。ISBN 978-4844783336
ポリュアイノス『戦術書』戸部順一訳、国文社 叢書アレクサンドリア図書館、1999年。ISBN 978-4772004008
* フロンティヌスのStrategemata

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