第三号掃海艇

第三号掃海艇（だいさんごうそうかいてい）

日本海軍によって運用された掃海艇の一隻であり、同型艇の1番艦から数えて3番目に建造された、第一号型掃海艇に属する艦艇です。

その建造は、1922年（大正11年）8月1日に大阪鉄工所の桜島工場で起工されました。翌年の1923年（大正12年）3月29日には進水式を迎え、同年6月30日には竣工に至ります。竣工時の名称は「第三掃海艇」でしたが、1924年（大正13年）4月24日付けで「第三号掃海艇」と正式に改称されました。

本艇は就役後、様々な任務に従事しました。1937年（昭和12年）から1939年（昭和14年）にかけては、日中戦争における華中方面での作戦行動に投入されています。この活動期間中、1937年12月28日には南京より下流の烏龍山水道にて機雷に接触し、損傷を負う事態も経験しました。

太平洋戦争開戦後も、第三号掃海艇はその任務を継続しました。南方地域への侵攻作戦において支援活動を行ったほか、海上輸送路の安全を確保するための船団護衛任務にも不可欠な存在として従事し、戦局を支えました。

しかしながら、戦争末期の1945年（昭和20年）4月9日、岩手県の大船渡湾の入り口付近で輸送船「浮島丸」の護衛にあたっていた最中、米海軍の潜水艦「パーチー」による魚雷攻撃を受け、沈没するという最期を迎えました。この沈没を受け、約1ヶ月後の同年5月10日をもって海軍籍から正式に除籍されました。

本艇は就役期間を通じて、複数の艇長のもとで運用されました。厳しい戦時下において、その指揮官は任務や状況に応じて度々交代しています。

第三号掃海艇は、大正末期から昭和にかけての日本の海上戦力の一翼を担い、機雷掃海や船団護衛といった重要な役割を果たし、その艦歴を閉じたのです。

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