第二一〇海軍航空隊

第二一〇海軍航空隊の概要

第二一〇海軍航空隊は、日本の海軍部隊のひとつであり、本土防衛のための主力戦闘機隊として設立されました。この部隊は特に太平洋戦争の終盤において、中京地域上空での迎撃および攻撃行動に従事しました。

沿革

1944年の中盤、フィリピンでの戦闘が避けられなくなると、日本海軍は増援部隊を組織する必要があると判断し、慣熟練成航空隊を設立しました。位置的に恵まれている明治飛行場は、この新しい航空隊の拠点として選ばれましたが、名古屋市への空襲が始まると、厳しい状況の中で正式な訓練が行えないまま、実践部隊へと変わっていきました。

航空隊は1944年9月15日に明治飛行場で開隊しました。最初の編成は、艦上戦闘機、局地戦闘機が合計96機、陸上偵察機や艦上爆撃機、艦上攻撃機がそれぞれ24機でした。これらの機体を用いて、本隊は名古屋市を拠点として防空任務につきました。

1944年の活動

1944年12月には、名古屋市に対するB-29の空襲が相次ぎ、航空隊は迎撃任務に就きました。12月13日には、代わって14機の零式艦上戦闘機、4機の紫電、その他の機体が出撃し、幸運にも1機を撃墜することができましたが、被害も出ました。さらに月末にかけても空襲に対する迎撃戦が続き、航空隊は次々に出撃しました。

1945年の活動

1945年1月、B-29の空襲は続き、名古屋市での迎撃戦は激烈さを増していきました。様々な戦闘機隊が派遣され、報告によればある日には73機編成で出撃し、撃墜・喪失を繰り返しました。また、特に神戸市への空襲もあり、力を尽くして迎撃に当たりました。

2月の活動では、月光隊を硫黄島に派遣するも戦果は上がらず、また本土の防空にも苦戦する場面が見受けられました。3月に入ると、「天一号作戦」が発動し、出水飛行場へ移動した際も迎撃任務が続けられました。

沖縄戦とその後

沖縄本島上陸戦が始まる4月には、串良駐留の天山隊が夜間攻撃を行うなど、兵力を整えて戦闘に臨みました。しかし、多くの損失を被りつつも艦隊との交戦に加わり、苦闘が続きました。また、特攻部隊の一部としても活動し、戦局の厳しさを体感しました。

5月の時点で部隊編制に変化があり、残存部隊は名古屋、豊橋、明治の各基地へと分散。最終的には、戦争終結に伴い武装解除し、解隊となりました。

主力機種

第二一〇海軍航空隊の主力機種には、零式艦上戦闘機があり、これは防空任務の中で重要な役割を果たしました。また、紫電、月光、彗星なども使用され、それぞれ夜間防空や特攻任務に従事しました。これにより、部隊は多様な任務に対応する力をつけました。

歴代司令

この部隊には数名の司令官が就任しました。開隊当初の田中義雄を始め、三田国雄、薗川亀郎、最後には柴田文三が残務処理まで責任を持って指揮しました。

参考文献

歴史は多くの資料と文献に基づいており、詳細な情報は日本海軍の編制事典や各種戦史に記されているため、興味のある方はぜひご覧ください。

このように、第二一〇海軍航空隊は、戦況の厳しさの中で活動し続けた機動力に富んだ部隊でした。

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